クロニクル ネタバレ感想

クロニクル [Blu-ray]

100点

内気な少年アンドリュー(デイン・デハーン)と従兄弟のマット(アレックス・ラッセル)、学校の人気者スティーブ(マイケル・B・ジョーダン)の三人はひょんな事から超能力を手に入れたことで次第に破滅へと向かっていく。

 

予告

 

超能力学園ものって聞いて真っ先に「超能力学園z」を思い浮かべたアナタ!!m9っ`Д´)

仲間です(´∀`)

確かに能力は非常に似てるんですけどあーいう軽いノリは無くもないんだけど基本はティーンエイジャーの悩みや暴走が描かれるんです。

とくにアンドリューの生き様は本当に切ない。

アンドリューは日本で言えば所謂気弱なオタクみたいな感じで学校では馬鹿にされ家に帰っても病気の母と暴力ばっかり振るう父親という典型的な「弱者」。

それが人智を超越できる力を手にしてしまったなら誰だって欲望のままに力をつかいまくるだろう。

でももっとも力を使いこなしているアンドリューでも最初の頃は人に危害を加えようだなんて思わないいい子だった。

きっと同じような力を手にしたマットやスティーブというよき友人に恵まれた事によるものだ。

しかしそれが家庭内のストレスやお母さんを助けてあげられない焦燥感、そして一時は学校の人気者にまでなれたのにちょっとしたミスでまたいじめられっこに戻ってしまった絶望感で暴走してしまう。

 

本当ならもっと色んな方法でアンドリューはお母さんを助けられただろうし幸せな未来も手にできるはずだった。

お金が必要でコンビニ強盗するにせよもっと確実でまともな方法はあっただろう。

しかし自宅でも学校でも追い詰められ、居場所を失ったアンドリューは心の余裕がなく短絡的な行動に出てしまった。

でもアンドリューの気持ちは痛いほどわかる。

学校での一件は特にアンドリューを傷つけたんじゃないかな。

超能力を駆使したマジックで学校内で一躍人気物になり女の子にもちやほやされ、男としても最高の夜を迎えられたはずだった日の夜。

でも人気者になったがゆえに始めて経験する「絶対強者」のような感覚に酔いしれ、酒を飲みすぎたアンドリューはパンツ一丁で女の子にゲロを吐いてしまう。

その時のアンドリューの絶望感を想像するともう・・・(´Д⊂ヽ

きっと「強者」でいる事になれていたスティーブなら「昨日は飲みすぎて彼女にゲロかけちまったぜ( ゚∀゚)」とか笑い話にできてしまうんじゃないかな。

でもずっと「弱者」として生きてきたアンドリューには死にたくなるほどの絶望感が植えつけてられてしまったのだろう。

だからその日からアンドリューは「弱者」であることを拒絶し、力によって「絶対的な強者」となろうとしたのだ。

もしもあの日のパーティで上手く女の子と最高の夜を過ごせてれば、自分に自信がもてるようになり心に余裕ができて家庭内の問題やお母さんの病気にも冷静に対処できていたかもしれない。

もしもアンドリューの親父がもう少しまともな人間なら学校で嫌な事があっても慰めてくれて正しい道へと導いていてくれたかもしれない。

そう思うとアンドリューが不憫で不憫でしょうがなくなる。

 

この映画の元ネタはもろに「AKIRA」ですね。

登場人物や設定などは非常に似てる部分が多いです。

不良だけど仲間に優しく情に熱い金田は「マット」

金田に劣等感があって、いつも必死にやっているけど中々上手くいかない鉄男は「アンドリュー」

超能力の概要もほとんど同じで念力で物を動かし空を自由に飛びまわり、その気になれば鋼鉄ですらひしゃげてしまう。

それもそのはず監督のジョシュ・トランクはAKIRAの大ファンなのだそう。

僕もAKIRAを始めて見た時はその世界観に衝撃を受けて、速攻で漫画を大人買いしちゃいました。

だからクロニクルを見た時は「実写版AKIRAは完成していたのか!?」なんて興奮したものですよ。

特にPOV手法ってどうもなにやってるかわからないし手振れで酔うしで全然好きじゃないんですけど、クロニクルの場合は手持ちカメラの時もあれば固定カメラもあって見ずらいだとか酔うことも無く見れました。

しかもその写し方が絶妙で本当に感動しましたよ。

もしAKIRAが実写かするならジョシュ・トランク監督にやってもらいたいものです。

 

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