[リベンジ系アクションに]おじいちゃんはデブゴン ネタバレ 感想[サモ・ハン参戦]
あらすじ
香港映画界の重鎮サモ・ハン(サモ・ハン・キンポー)が20年ぶりにメガホンを取り、主演も務めたアクション映画。故郷の村でひとり暮らす66歳の退役軍人ディン。初期の認知症と診断されたディンが唯一心を許していたのが隣に住む少女チュンファだった。ギャンブルで中国マフィアから借金を重ねていたチュンファの父レイは、マフィアのボスであるチョイから借金返済を待つ代わりに、ロシアのマフィアから宝石を奪うという危険な任務を与えられるが、奪った宝石を持ち逃げ。激怒したチョイは娘のチュンファ誘拐を画策するが、その計画をディンが老人とは思えぬカンフーで阻止する。記憶は薄らいでも拳法の腕前は落ちていなかったディンは、マフィアたちを掃討するため立ち上がる。ディン役のサモ・ハンはアクション監督も務め、レイ役で出演したアンディ・ラウは製作、主題歌も担当。サモ・ハンの監督復帰を祝し、ユン・ピョウ、ツイ・ハークら香港映画界のレジェンドが多数ゲスト出演している。(映画.comより)
予告
60点
爽快感の足りない復讐譚
『96時間』、『イコライザー』の流れを組む爽快リベンジアクションをアクションの神様サモ・ハン・キンポーでやったったぞ!というコンセプトであろうということは予告を観ただけでわかるかと思います。
僕のような「アクション映画はサモ・ハンとジャッキーで育った」という世代からすれば期待するなという方が無理という話です。
だけど実際に映画で観て感じたものは毒にも薬にもならないシナリオ、ごまかしの早回しなのか妙にカクついた微妙なアクションでした。
なんでしょうかね、既存のリベンジ系の無敵主人公シリーズと差別化したかったのかもしれません。
でもそうだとしたら大失敗と言わざる終えないです。
ぶっちゃけ点数の割にはけちょんけちょんにけなしていくので、この映画が好きな人は続きを読まないほうが良いかもしれないです。
目次
ザックリとストーリー紹介
・軽度の認知症と中性脂肪多めな退役軍人ディンは一人穏やかだが寂しい余生を過ごしていた。
・そんなディンの家には同じように人と関わるのが苦手な少女チュンファが通いつめていた。
・だがある日チュンファの父親のレイが借金取りの商品に手を出してしまう。
・そして逃げ切れなくなったレイは、チュンファのことをディンに頼んだ後借金取りのチョイに殺されてしまう。
・その後何故かチュンファは行方不明になってしまい、ディンはチョイのアジトに特攻。
・ディンは目の前の敵を次々に倒すものの、肝心のチュンファの居場所を聞き出せずにいた。
・年老いて体力がないディンはチョイの証言を携帯型の録音機で録音するものの、取り逃がしてしまう。
・そして逃げ切ったと思ったチョイも手下に裏切られ、金を奪われる。
・警察に保護されたディンは認知症のため、録音した内容も録音方法も間違っており結局警察に証言はできなかった。
・また一人孤独な生活に戻ったディンだったが、実はチュンファは友達の家に泊まっていただけだった。
・再びディンとチュンファに穏やかな時が戻りEND
全てが中途半端過ぎて泣けないシナリオ
(こういった孤独な老人の物語はそれだけで涙を誘うには充分なのだが・・・)
冒頭のディンが引きこもるキッカケになった、孫とのお話を分かりやすくした漫画っぽいスタートは凄く良かったんですよね。
「お、こりゃ一味違うリベンジ系が見れるぞ」なんて思ったんです。
でも中途半端なコメディ(ポクさんとの絡みとか)はあんまり面白くないし、唐突な娘絡みのシリアスなムードも前フリが微妙すぎて感動もへったくれもありません。
ポクさん、娘との溝、チュンファとの関係、どれも毒にも薬にもならない程度の話なんですよね。
ていうかいらないシーン多すぎなんですよこの映画。
ポクさん絡みとか、チュンファの母親の話とか、レイの宝石横取り展開とか、なくても困らないような無駄で得るもののない話多いんですよね。
そんで極めつけは攫われた思われていたチュンファが、実は友達ん家に泊まってただけでした・・・って「まとめきれずについに脚本投げたか?」としか思えません。
なんだろう、やりたいこととか目指しているもの観せたいものは凄い伝わってくるんですよ。
でもやりたいことに対してまとめきれてないんですよね。
だから娘との今生の別れっぽい電話とかも感動が半減、最後のチュンファ登場なんかは「も~好きにしてくれ」としか思いません。
高齢のサモ・ハンにアクションはキツかったか
(ラストの大乱闘もどこか物足りなさを感じてしまう)
こういった映画は基本的にアクションがずば抜けてれば良いんです。
シナリオが雑だろうがなんだろうがアクションに華がありゃそれだけで許せちゃうんです。
『マッハ!』とか『チョコレート・ファイター』なんかが良い例ですね。
でも今作のアクションはヒジョーに微妙としか言えませんでした。
まあ、『ロミオ・マスト・ダイ』リスペクトなX-rayバイオレンスは「お、懐かしい」と思えたし、地味にエグつない骨ボッきゃーするサモ・ハンの格闘スタイルは良いんですよ。
だけど全体的に早回し多めだし、妙にカクついた感じのシーンが多くて観ててちょっと酔いそうでした。
う~ん、寄る年波には勝てないのかそういった狙いの映画なのか・・・どちらにせよ僕にはあいませんでしね~。
ディンとチュンファと娘に焦点を絞ってれば・・・
(チュンファとの絡みを掘り下げてほしかった)
今作の最大の失敗はやっぱり色々詰め込み過ぎて消化不良な点。
テンプレ展開ではあるものの、ディンと娘との溝をチュンファが埋めていく展開とかの方が素直に入っていけたと思うんです。
一度は孫を助ける事ができなかったディンが、チュンファを華麗に助け出す!そんな王道中の王道展開で十分だったんじゃないでしょうかね。
と言うかそうじゃないと、そもそも「ディンの不注意で孫がいなくなってしまった」っていう設定の意味がなくなるよーな。。。
そう言えば、孫のいなくなった原因も結局明らかになってないのもモヤっとしてしまいますな。
中国らしいな~って思ったシーンにデジャヴ感
映画の中でディンが親戚の結婚式に行った時に「親戚が子供を使ってディンにご祝儀を迫りまくるシーン」あるじゃないですか。
アレね~、コメディっぽく見せてるけど非常に田舎の中国を象徴してるなって思ったんですよ、だって僕が帰国した時もまるまる同じ目にあいましたからね!
わりとガチ目にいや~な感じだったので、一緒に帰国した母は悲しいような寂しそうな表情をしてました。
ってま~それだけのお話なんですけども(オチがない)
あえて一言言うなら文化の違いが大きすぎると人と人って分かり合えないんだろうな~って思わせられますね。
まとめ
正直期待した分だけガッカリ感も大きい映画だったんで、結構ボロクソ気味に書いちゃいました。
ただシナリオ面はおいといて、アクションは文句があると言えども見所もちゃんとあります。
それにジャッキーとかのアクション映画時代に育った人は、サモ・ハンが主演ってだけでも思い出補正で楽しめる面も多いとは思いますからね。
今作に設定が似てる映画。
自信をもって万人にオススメできる映画でもあります(ちょっとグロいけど)
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