[真実には]ザ・ギフト ネタバレ 考察あり[決して辿りつけない]
あらすじ
「華麗なるギャツビー」「ブラック・スキャンダル」「ジェーン」などで活躍する俳優ジョエル・エドガートンの長編初監督作品で、「パラノーマル・アクティビティ」「インシディアス」といった人気ホラー作品を手がけるジェイソン・ブラム製作によるサイコスリラー。新たな転居先で幸せな生活を送る夫婦の前に、夫の同級生と名乗る男・ゴードが現れた。再会を喜んだゴードから、2人に1本のワインが「ギフト」として贈られる。しかし、徐々にゴードからのギフトはエスカレートしていき、度を越していく贈り物に2人が違和感を覚えはじめた頃、夫婦のまわりに異変が起き始める。エドガートンは監督、脚本、製作を務め、ゴード役で出演。ゴードに狙われる夫婦の夫役に「宇宙人ポール」のジェイソン・ベイトマン、妻役に「トランセンデンス」のレベッカ・ホール。(映画.comより)
予告
100点
騙されているのは「お前」だ
まずはじめに言いたい、トンデモなく面白い映画でした(語弊壊滅)
いやー、個人的にはパラドクス以来の衝撃でしたよ。
まあ、映画自体はよくあるドンデン返し系なんですけどね、のりたまなんて開始30くらいでオチまで当てちゃいましたからね(たまたま)
でもね~、この映画はソコジャナイんです。
この映画の本質は僕達視聴者に❝文字通り❞痛恨の一撃を食らわしてくる映画なんです。
僕は観終わったあとは衝撃で頭がグワングワンしましたね~。
さて、今回は書きたいことが沢山有るんでのっけからネタバレ全開でいきます。
観てない人は絶対に観てから読んだほうがいいですよ!
目次
ザックリとストーリー紹介
・サイモンとロビン夫婦は新しい住居の買い出しに出ていた
・そこでサイモンは学生時代の同級であるゴードと出会う
・ゴードは事ある事に生活必需品などの❝ギフト❞を送ってる
・だがサイモンはゴードはロビンに気があるんだと決めつけてはゴードを悪く言っていた
・ある日ゴードの家に招かれたサイモンとロビンはあまりの豪邸ぶりに不信感を抱く
・そこでゴードにもう関わってくるなとサイモンはハッキリと言ってしまう
・後日あの家はゴードの家ではなく、他人の家だと判明し底の知れない恐怖にロビンが精神を病み始める
・こっそり隣の家から精神薬を拝借したロビンとサイモンは口喧嘩になる
・サイモンは頑なにゴードとの和解を嫌がり、そこに不信感をいだきつつもロビンはサイモンと和解
・一度は流産を経験したロビンも二度目の懐妊にサイモンと共に喜ぶ
・月日が経ちゴードの事を忘れた頃にロビンはふとしたきっかけでまたゴードを見かける
・どうしてもゴードの事が気になってしょうがないロビンはこっそりサイモンとゴードの間に何があったのかを調べ始める
・そこで古い友人のグレッグに行き着き真相を知る
・サイモンは学生時代にゴードがゲイにレイプされたと❝嘘❞をばらまき、そのせいでゴードは実の親父に焼き殺されかけていた
・ロビンはサイモンに自らの❝嘘❞による罪を精算するようにせまる
・サイモンは渋々ゴードに謝罪をするが、❝手遅れだ❞と言って謝罪を受け入れないゴードに逆上して暴力を振るう
・更に日が経ちサイモンは会社での昇進が決定すると同時に妻が破水
・子供は無事生まれるもののサイモンの昇進は❝嘘❞によって作り上げられたものだと会社にバレる
・サイモンに愛想を尽かしたロビンはサイモンとの別れを決意する
・途方に暮れたサイモンに追い打ちをかけるかのようにゴードが最後のギフトを渡す
・そのギフトの内容は赤ちゃんのゆりかご、盗聴されたテープ、ビデオテープ、自宅の鍵が入っていた。
・そこでサイモンはゴードと出会ってからの会話が盗聴されており、ゴードが好きがってに自宅を闊歩していたのを知る
・更にビデオテープではロビンが睡眠薬を飲まされ、眠らされている間にゴードがロビンに覆いかぶさる姿が・・・
・生まれた子は果たして自分の子か?ゴードの子か?ゴードには子供の目を見ればわかるだろうと言われ確認する
・子供の目を確認して途方に暮れるサイモンを尻目に去っていくゴードをバックにEND
❝嘘❞によって苦しんだ人々の話
(他の作品ではヘタレキャラの役が多いジェイソン・ベイトマン、今作ではとんでもないクズ役でした)
とりあえずサックリ映画の感想を述べると以下のような感じです。
・サイモンがクズすぎて自業自得感はんぱない
・ゴードに同情するしラストの反撃はわりとスカッとする
・とりあえず奥さんが可哀想過ぎて何も言えない
この三人は何がキッカケでこうなっちゃったのかと言われれば❝嘘❞です。
サイモンの嘘によってゴードは人生を変えられ、ロビンは誰の子かもわからない子を産むことになり、サイモンも自分の嘘によってどん底に突き落とされちゃうわけです。
あ、ついでに言えば会社の同僚もサイモンの嘘で人生を変えられちゃってますね。
いや~、誰でも嘘くらいついたことあるだろうけどサイモンの嘘はもう犯罪者レベル。
そりゃゴードにも同情したくもなるもんです、奥さんなんて何も悪くないのに巻き込まれすぎですよ。
真実に永遠に辿りつけない苦痛
(サイモンが愛する人の身に起きた真実を知ることは決してない)
嘘に振り回され続けるということは真実へと到達できないという事なんですよね。
ぶっちゃけロビンの産んだ子がサイモンにとって自分の子かどうかなんて重要じゃありません、成長すればどちらの子かはいずれわかります。
もちろん、微妙にどっちにも似てねーなんてこともあるんでしょうけどね。
まあ、ロビンからすりゃ赤の他人の子なんて生みたかないというのはあるんだけども・・・
ただここでもう1つ重要なのはゴードがロビンに手を出したかどうかなんです。
それはもう絶対にわからないんですよね。
ゴードが本当の事を言おうが嘘を言おうが、嘘で塗り固めたサイモンには他人の言葉を信じることなんて出来ないから。
だから産んだ子をみて絶望しているサイモンなんてゴードにとっては通過点でしかないんです。
最後にゴードが全然満足そうな顔をしていないのももしかしたら「本当にお前が苦しみのはこれから先だぜ」なんて思ってるからかもしれません。
赤ちゃんはどっちの子?
赤ちゃんの目の色は黒、サイモンは青。ってことはゴードの子か?と思うかもしれません。
でも子供への遺伝は100%親から受け継ぐものではないんです、それにロビンの目の色は黒なんですよね。
しかもラストで赤ちゃんの目を見てうなだれるサイモンはがっかりしたようにも安心したようにも見えちゃいます。
これがこの映画を最後まで観て「モヤっとした!」って感想を抱く人が多い原因でしょう。
じゃー結局どっちの子なんだい!と言うことで出来る限りの考察をしてみました。
まずゴードはサイモンに「チャンスはやった」って言ってます。
つまりゴードはあれだけサイモンに酷い扱いを受けながらも許すチャンスをあげてるんです。
きっとサイモンが誠心誠意謝っていればこのような結末にはなっていません。
これはゴードに良心があり、人を許せる心の広い人間性があることを示唆しているわけです。
しかもロビンは最初から最後までゴードに同情的でかばっていました。
そこから推察するにゴードがロビンに手を出す可能性は低いんですよね。
そしてゴードが手を出していない可能性を示す理由はもう1つあります。
ゴードのピアスが示すもの
(ジョエル・エドガートンの演技が超不気味で素晴らしかった)
ロビンに手を出していないと思われる理由のもう1つが、ゴードが片耳だけにつけているピアス。
実は片耳にピアス(左側だけに)ってのは世界共通でゲイアピールなんですよね。
だからこれを素直に受け取るのならゴードは実は本当にゲイだったということにり、そうなれば当然ロビンには手を出しません。
ただ・・・ピアスに関しては劇中で不自然なくらいに触れられることがないんです。
そしてその理由に関しては後で追求しているので読み進めていただけたらと思います。
映画自体の内容は平凡ではあるものの・・・
一旦ここで❝映画自体❞の感想に入りたいと思います。
まず映画の作りは非常に丁寧に作られたサスペンスホラーでした。
序盤からグイグイ引き込まれるし、中だるみも殆どありません。
でも逆に言えば目新しいものもないんですよね。
多分映画慣れしている人であれば中盤くらいからは「復讐系かな?」ってある程度のアタリはつけられるだろうし、まあわりと視聴者の思惑通りに話も進むんですよね。
そんで子供が生まれる当たりでラストのオチまで読めちゃう人も少なくないでしょう。
だからラストまで見た人は「驚くほどのものでもないかな」とか「期待しすぎたかな」って感想を抱く人も多いのではないでしょうか。
でも、ちょっと待って!
本当に全てをわかった気がいますか?
そう、この映画には隠れたメッセージ、、、続きがあるんです。
真実に辿りつけない❝嘘❞の疑似体験
(「決して真実に辿り着くことが出来ない苦しみ」が監督から僕らへのギフトなのかもしれない)
上にも書いたようにこの映画にはエンディングよりも❝先❞があるんです。
それが❝嘘❞の疑似体験です。
僕はゴードのつけているピアスに何故劇中で誰も触れないのか気になってしょうがなかったんですよね。
だって片耳にピアス=ゲイってわりと有名な話なんですよ。
それに劇中では過去にサイモンはゴードがゲイに襲われたと嘘をついて回ったという設定になってます。
ここまでくるともうゴードがピアスをつけている意味がないわけがないんです、なのに劇中では一切触れられない、それはなぜか?
それはピアスの存在はゴード=ジョエル・エドガートンが僕ら(視聴者)に罠をしかようとしているからなのではないでしょうか。
だってピアスの存在を気にしてるのなんて視聴者ぐらいじゃないですか。
劇中でゴードは自分が味わった真実に辿りつけない苦痛をサイモンに与えたわけですけど、それと同時にジョエル・エドガートン監督は視聴者である僕らにもそれを疑似体験させようって思ったんじゃないでしょうか?
あのピアスは明らかに、
「ピアスをつけているから僕はゲイに見えるかい?」
というジョエル・エドガートン監督が視聴者にむけたメッセージなんですよね。
そして視聴者がピアスは結局何を意味しているのか、子供は誰の子なんだ、何が嘘で何が真実なんだよ、って頭を悩ませてるのを想像してほくそ笑んでるのではないのかと。
そんなふうに妄想し始めちゃうともーとまりません。
今度はゴードの一貫して「いいやつかも?」「いやサイコパスっぽくもある・・・」と掴みどころのない曖昧なキャラクター設定も視聴者を騙すためなのでは・・・?なんて思えてくるんですよね。
こんな風に全てが嘘っぽく見えちゃうともう何も信じれなくなるわけで、そうなってしまうと僕らもサイモンと同じく決して真実に辿りつけない苦しみを味わうことになっちゃうんですよね。
まとめ
映画をながーく観てるけどここまで「映画に化かされた!」って感じたのは初めてかもしれません。
もちろん、全て僕の考察(妄想)なんでジョエル・エドガートン監督に「いや、流石にそれは君妄想が激しすぎるよ。そんな裏設定みたいなもんはないぞ」と言われても何らおかしくありません。
いや、実際に僕自身も書き終えた後に読み返しても「明らかに考察ではなく妄想の域まで達してんな・・・」って思いますもの。
だからこの映画への解釈は「お前妄想力豊かだな」程度に捉えていだければと思います。
あ、もちろん他の解釈があれば大歓迎ですよ~、気軽にコメントしていってください。
でも映画を観てこうやって自分独自の解釈をするのって最高に楽しいですよね~。
そしてそんな風に思わせてくれたというだけでこの映画は僕にとっては名作なんだというお話でした。
当ブログで何度となく推している映画。
でも人によっては矛盾だらけでビミョーな映画でもあります。
ジョジョの5部は暗殺者ならではスリルな一撃必殺なスタンド対決と熱い展開が素晴らしい。
あとGER(ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム)に厨二病をくすぐられてたまらない。
お久しぶりです中村です。
いつぞやたまたま劇場であっているのを見つけてなんとはなしに観てみるとまあなんと面白い映画だと思ってブルーレイも買いました。
途中の一件関係のなさそうなストーリーもラストで主人公の逃げ場をなくす為のものだったとはなかなか精巧に造られたシナリオでしたね。
左耳の云々については私は知らなかったのでざまあみろ主人公な映画とばかり思っていましたが、かのジェイソン・ブラムが制作ならばそんな簡単な話ではないという事なのですね。
ただ、奥さんは同情的というよりはどこか恐怖を感じてるような雰囲気だったように感じました。ゴードンとの和解を強いていたのもゴードンのためというより早く終わらせて元の生活に戻りたいがためという印象が強かったです。
そういえば、この間レンタルショップでダークレインという映画があって、気になったので裏を読んでみたらパラドクスの監督の新作だったので、観るものもなかったしなんとなく観てみるとこれがなかなか良い出来でした。
パラドクスとは絵の造りがぜんぜん違っていましたがどことなく似た雰囲気があり、荒唐無稽な設定を大真面目に造る作風の人なのかなと思いました。
それでは失礼します。
中村さんお久しぶりです!!!
途中の伏線の張り方も秀逸な映画でしたよね~、全体的に丁寧に作られたシナリオで見応えありますよね。
ジェイソン・ブラム制作作品は凝った作品が多いということなのでしょうか?
記事では色々妄想書きましたけどピアスは単純にどっちかな~?っていうお遊ぶ要素ともとれますね。
あ~、確かに!
奥さんは事なかれ主義というかトラブルから開放されたがってたしゴードには終盤ギリギリまで恐怖を感じてましたね。
早速ダークレインのパッケージとあらすじ観てみたけど、良さげなので早速借りて観ようとおもいます。
余談ですが最近は映画結構観れてるので記事を書くのがおっつかないんですよね(^^;)
男性は右耳のみピアスしている場合はゲイのアピールですよ。左耳ではないです。
なのでゴードは過去の悲劇もあり、劇中当初からゲイでは無い事のアピールをしていたのではないでしょうか。
赤黒ちゃうちゃんさん、初めまして!
あら、そうでしたか!自分のうっかり勘違いですね、お恥ずかしい・・・(ーー;)
なるほど~、ゲイではないアピールのために逆の耳にピアスをしていたか。
旦那に奥さんに手を出したかもよ~と思わせるためにもゲイではないアピールは必要ですものね。
いや、まあ、自分も右耳ピアスしてたことあるけど(ゲイじゃないよ)、ただのアウトサイダー(外れ者)アピールじゃないの。アメリカ映画だと、男性警察官も片耳ピアスしてることあるよ。
Kさん、初めまして!
ピアスに関しては他の方にも突っ込まれましたよ~(^^;)
なので完全に僕の勘違い&妄想ですね。。。
嘘は他人を巻き込む、ですね
魔女の宅急便さんはじめまして!
嘘は得てして負の連鎖反応を起こしがちですよね~。
はじめまして。
解釈の余地を残すラストにガツンと心を打たれ、考察記事を探したところ、こちらにたどり着きました。
とても興味深く、記事を読ませていただきました。
最高の終わり方ですよね。
結局、どこまで行こうと明確な答えは出てきませんが、それこそがこの映画を一段上のものにしていると感じます。
個人的な解釈を言うなら、やはりあのオチはサイモンの子供であろうな、と思いますね。
軍人経験がありながら顔に怪我を負わせたサイモンに反撃しなかったのを見るに、彼が血も涙もないサイコパスには思えません。
「チャンスは与えた」
という台詞からも、彼は一度はサイモンを許そうとしていたのではないかと思えます。
3人で食卓を囲った際にグレッグの名を出したことからも、ゴードはサイモンに謝罪のチャンスを与えていたように見えます。
病院で再開した奥さんは、精神安定剤まで服用するほど恐怖していたゴードの顔の傷をいちばんに気にしていました。
「いい人には、いいことがないと」
というゴードの台詞。あれは、やはり奥さんに向けられていると考えるのが自然です。
盗聴CDでは、奥さんも「気持ち悪い」と言っていたため、ゴードが奥さんを完全にシロと見ていた保証はありません。
が、劇中に散りばめられた描写から、ゴードは復讐のために関係ない第三者を巻き込むことまではできなかったのではないか。
そう思えてなりません。
一年ぶりので返信で見ておられないようでしょうけど、こんな過疎ブログにまでたどり着いていただきありがどうございます。
色々ありましたが、また映画ブログを再開したいなーと思う今日このごろです。
これからたくさんの人とまた出会えるといいな~。
途中から、ロビン共謀説まで疑いました(笑)。
今日アマゾンプライムで見て考察が気になって色々見て回りましたけど、映画の中で終始赤ちゃんが欲しいと夫婦は言っていて、ゴードにも赤ちゃんが出来ないと伝えていたのも加味すると、最後に出てくる赤ちゃんはゴードからの嫌味のギフトかもしれませんね。
真相は闇の中ですがw