[2020年には続編も公開!]クワイエット・プレイス [楽しみが止まらない]の ネタバレと感想
あらすじ
「ボーダーライン」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」のエミリー・ブラントが主演、ブラントの夫でもある俳優のジョン・クラシンスキーが監督・脚本を手がけ、全米でスマッシュヒットを記録したサスペンスホラー。ブラントが主人公となる一家の母親エヴリンに扮し、エヴリンを支える夫のリーをクラシンスキーが自ら演じ、夫婦共演も果たした。聴覚障害を持つ娘役は、自身も同じ障害を持つ「ワンダーストラック」のミリセント・シモンズ。音に反応して人間を襲う「何か」によって人類が滅亡の危機に瀕した世界で、「決して音を立ててはいけない」というルールを守り、生き延びている家族がいた。彼らは会話に手話を使い、歩くときは裸足で、道には砂を敷き詰め、静寂とともに暮らしていた。しかし、そんな一家を想像を絶する恐怖が襲う。(映画.comより)
予告
90点
ホラー!アクション!家族愛!VIVAアメリカ映画!
個人的にこういうシチュエーションホラーっぽいの大好きです。
B級モンスターパニックってなんで予告だけでこんなに胸が高鳴るんですかね~。
多分観た人は色々とツッコミあるだろうし、『いやwいやww』ってなったシーンも多々あった事でしょう。
でもね、いいんです。
アメリカのB級家族ものホラーアクションってこういうのなんです。
怖くて、切なくて、熱くなって、ホロっと来ればそれでいい、『クワイエット・プレイス』はそれらの単純娯楽を超高次元に詰め込んだ素晴らしい映画でした。
目次
ザックリとストーリー紹介
・聴覚が異常に敏感なモンスターによって地球を支配され、モンスターの目・・・ではなく耳を盗んで生き抜いていた家族がいた。
・ある日エヴリンとリーは子供を引き連れ、食料を調達しに行っていた。
・だが帰路についていると末っ子がこっそり持ち帰ったおもちゃの音が鳴ってしまう。
・モンスターの襲来に間に合わず、声にならない叫びを上げるリー。
・一年の時が経ち、エヴリンは出産を間近に控えていた。
・一方耳が不自由な娘リーガンのために補聴器の開発に必死になっていたリーだったが、末っ子の一件によって娘との間に出来たわだかまりはとれずにいた。
・そんなある日ついにエブリンが破水してしまう。
・モンスターの襲来によって徐々に追い詰められていく家族に、リーは子を妻を守るためにその生命を散らす。
・だが地下まで逃げたエヴリンにもモンスターの魔の手は迫り、終わったと思ったその瞬間。
・リーガンの補聴器の繰り出す音波がモンスタの弱点だとわかる。
・音波によって弱ったモンスターを撃ち殺すエヴリン。
・地下の監視カメラでは地上のモンスターが銃声を聞きつけて迫ってくる姿が映っていた。
・だがそこにはもう怯える家族はいない、ショットガンを手に反撃の狼煙を上げたエヴリンが写ってEND。
末っ子の死から始まる家族の再生の物語
(呼吸を忘れるほどの衝撃でした)
親としてはこの世で最も悲しい出来事なのに、声を上げて叫ぶことも泣くことも我が子の名を呼ぶことすら許されないって凄い悲劇ですよね。
そんな絶望のどん底に叩き落とされた一家が、妻のお腹に宿った新たな命という希望を守るために家族全員で戦うわけですよ、文字通り大人も子供必死になって。
普通だったら『お前は俺が戻るまでここで待ってろ』と子に言って聞かせるであろうシーンでも容赦なく『お前はやれる、いけ』と言うのです。
そんな死ぬも生きるも一緒な信頼しあっている家族が、僕にはたまらなく眩しかったですね~。
僕は家族愛的なものにはあまり恵まれていないほうだが、それでも親としての子を思う気持ちというやつは頭では理解できます。
だからリーが必死になって息子に戦い方を教え、勇気をもたせようとしたり、わかってもらえなくても嫌われても娘におしみない愛情を注ぐ姿が痛いほど胸を貫くんですよね。
個人的にリーが最後に叫びながら声を上げるカットには色々持っていかれましたね~、ぶっちゃけ涙が止まりませんでしたよ。
映画ではよくある安易な自己犠牲演出かもしれないが、それまでのリーの行動や子どもたちへの想いがヒシヒシと伝わってくるから『頼むから生きてくれ親父!』と願わずにはいられませんでしからね。
感情表現を抑制された世界で生き延びるために
(数少ない安心して聞ける『音』)
この世界では声を殆ど出せないので、実質的に『言葉』による感情表現を抑制されてしまっているのです。
そんな世界でコミュニケーションをとるのが、難しいのは想像に難くないでしょう。
コミュニケーションのとれない人間なんて、モンスターにとっては烏合の衆と同じだったんでしょう。
だから地上は奴らに支配されてしまったのかもしれませんね。
それにしたって人類弱すぎぃ!と突っ込みたくなるかもしれないが、もしかしたらモンスターが無限湧きとか数が膨大すぎて物量に押されたのかもしれない。
まあ、それはとりあえず置いとくとして、人類が滅びたディストピアな世界を生き延びれたのは家族が『手話』を通してコミュニケーションをとれたからです。
そして『子を宿す』という行為もまた生き延びていくのに必要だったんだと思います。
そりゃ「そんな事してる余裕あるの?」とか「生まれて育てられるの?」とか突っ込みたくなる気持ちもわかります。
でもね、人は別に体だけで生きてるわけじゃないんです、心もあるわけだからなにか生きる希望って必要じゃないですか。
それがこの家族にとっては新たな生命を宿すことだったんだと思います。
道中でおじいちゃんとおばあちゃんが出てきておばあちゃんがモンスターに食べられておじいちゃんは大声を上げて自殺しちゃいますよね。
あの時のおじいちゃんおばあちゃんってお互いがお互いにとっての支えだったのでしょう。
でも支えがあるだけで心が満たされてるわけじゃなかった、おじいちゃんがもの凄く薄汚れた格好をしているに対し、一家が奇麗な格好をしているのは映画の主役だからとかってメタな話だけではなく、希望を持って生きていたかどうかの対比なのかなーなんて思ったり、、、まあ、深読みかもしれませんけどね。
散々感傷に浸らせてからの・・・
久しぶりにモンスターパニックホラーでメチャクチャ鑑賞に浸っちゃったんですけど。
この映画のラストはドンデン返しと言うか、「あ、そうくる?」的な終わり方をするんですよ。
それが補聴器による音波(周波数の変化)によるモンスターの弱点を発見した家族が反撃の狼煙を上げるという結末です。
父ちゃんが死んでからは「もうこれどうあっても虚しい終わり方するやんけー・゚・(つД`)・゚・ ウワァァァン 」とか思ってたらまさかの「俺たちの戦いはこれからだ!リッカーもどき共かかってこいや!」という素晴らしい終わり方。
ちょっと前で言えば『10 クローバーフィールド・レーン』のラストの締め方もこんな感じなんだけど、これ系の締め方僕は湿っぽくなくて本当好きです。
あとエミリー・ブラントは守られる主婦ではなく戦う戦士がやっぱよく似合いますね!
色んなツッコミどころまとめ
Q:人類弱すぎない?補聴器の周波数とかそんなショボい弱点なんで人類は見つけられなかったの?
A:声を出すとすっ飛んでくるので連携がとれない=司令塔が機能しない。そうすると研究も対策も難しい。あとはモンスターの物量が凄かったのだと思う。
Q:どうやって子供作ったのよ!?
A:声を上げないプレイ
Q:赤ちゃんの鳴き声どうするのつもりだったの?
A:地下では普通に会話してたからわんちゃんヘーキかもしれない。
Q:だったら最初から地下で暮せばよかったのでは?
A:ほら、お天道様のない生活とか辛いじゃないか。
Q:滝の裏で叫び超え上げてたけど、なら滝の裏に住めば良くない?
A:いやほら、ジメジメして住みにくいじゃない?虫とかも大量に湧くだろうし。
Q:そもそも滝の音程度でごまかせるのならシェルターとかまでいけば安全じゃないの?
A:・・・
とこんな感じで突っ込みだしたらきりが無いくらいツッコミどころは盛り沢山です。
まあ、多少の矛盾点が映画の致命的な欠陥とならない巷のこの映画に対する評価を見てもわかると思います。
なのであまり片意地はらずに観たい映画ですね~。
続編も決まってるよ!
実はこの映画すでに続編も決まっています。
2020年の5月に公開だそうなので、日本で見れるのは11月か年末でしょうかね?
その際には上記にある矛盾点に対する答え合わせもできるので今から色々と妄想するのも楽しみですね!
個人的に次回作はエミリー・ブラント版『エイリアン2』のような作品にしてほしいですね。
完全防音シェルターによって生き残った人類を率いてエミリー・ブラントがモンスターの巣へと突撃!なんていいんじゃないでしょうか。
まとめ
個人的には今年観たアクションやホラーの中でも上位に食い込む素晴らしい映画でした。
自分の家族がボロッボロだからこそ映画の中での絵に描いたような家族愛が心に響いたってのも大いにあるんですけどね。
まあ、そんな個人的な部分を差し引いてもいい映画なので是非色んな方に観てほしい作品です。
クローバーフィールドの実質的な続編で、前作と同じかそれ以上に好きな作品です。
最近のコメント