[ファンの求めた]キングスマン: ゴールデン・サークル ネタバレ 感想[キングスマンではない!]
あらすじ
世界的ヒットを記録したイギリス製スパイアクション「キングスマン」の続編。イギリスのスパイ機関キングスマンの拠点が、謎の組織ゴールデン・サークルの攻撃を受けて壊滅した。残されたのは、一流エージェントに成長したエグジーと教官兼メカ担当のマーリンのみ。2人は同盟関係にあるアメリカのスパイ機関ステイツマンに協力を求めるが、彼らは英国文化に強い影響を受けたキングスマンとは正反対の、コテコテにアメリカンなチームで……。主演のエガートンやマーリン役のマーク・ストロングら前作のキャストに加え、ステイツマンのメンバーにチャニング・テイタム、ジェフ・ブリッジス、ハル・ベリー、謎の組織ゴールデン・サークルのボスにジュリアン・ムーアら豪華キャストが新たに参加。さらに、前作で死んだと思われていたコリン・ファース扮するエグジーの師ハリーも再登場する。前作に続き、「キック・アス」のマシュー・ボーンがメガホンをとる。(映画.comより)
予告
70点
痒いところに手が届かないもどかしい続編
前作が超面白かっただけに、今作は正直言うと結構期待ハズレでした。
一応前作からの流れはしっかりと継承はしているんですよ。
笑い、グロ、紳士というキングスマンという映画を構成する3つのキーワードは、しっかりと継承はされているもの・・・どれも前作には遠く及びませんでした。
ただそれは❝続編としてのキングスマン❞として観た場合であって、スパイアクションコメディとしては普通に楽しめる内容ではあります。
まあ、端的に言えば良くも悪くも無難にまとまってしまった映画って感じでしたね。
目次
ザックリとストーリー紹介
・謎の組織ゴールデンサークルによって突如キングスマンはエグジーとマーリンを覗いて全滅。
・二人だけでは太刀打ち出来ないのでステイツマンに協力を仰ぐ。
・ステイツマンの組織へと案内されるとそこには記憶喪失になったハリーがいた。
・ステイツマンと協力してハリーの記憶を取り戻し現場復帰するが、ゴールデンサークルのボスポピーによって世界中の麻薬患者が致死性の毒物を盛られてしまう。
・ポピーは大統領に解毒剤を交渉材料に用いて取引を申し込み、大統領はそれを了承する(だが大統領は麻薬患者を助ける気はない)
・エグジーたちは世界中の人々を助けるためにハリーの記憶を取り戻させ現場に復帰させる。
・ゴールデンサークルの拠点を見つけ出し、乗り込むがマーリンは地雷を踏んだエグジーの代わりに爆死。
・エグジーとハリーはエルトン・ジョンの助けを借りてポピーに辿り着き、解毒剤をゲットした。
・だがそこでステイツマンのウィスキーが裏切り者だと判明し戦うことに。
・ウィスキーをミキサーにかけてエグジーたちは世界を救うことに成功する。
・エグジーは結婚して皇族になるためキングスマンを引退、代わりにステイツマンのテキーラがキングスマンに入ることになってEND
おなじみのスリッシュアクションは健在
(テキーラはいいキャラしてるのに、唐突かつ特に捻りのないただの裏切り者だったのが非常に残念)
マシュー・ボーン監督お得意のスローモーションを巧みに入れたスタイリッシュアクションとトンデモスパイ道具は今作も良かったです。
いや、スパイ道具に関してはむしろ前作以上にインパクあってよかったかもしれませんね。
特に良かったのはウィスキーのレーザー型の投げ縄で、人間の体をサックリと切断してしまう切れ味がたまりませんな。
ちなみにあの縄を観て真っ先に連想したのが、たけしとキアヌが共演した『JM』に出てくるレーザームチ?です。
『JM』は当時は微妙な評価の映画だったけど、今観るとツッコみながら楽しめる面白い映画なのでオススメですよ~。
(未来を描いた作品なので、今観るとPCがブラウン管だったり、フロッピーディスクだったりとツッコみ要素満載)
ただ前作の協会のテンションぶち上がる!!って程のアクションは全編通してないんですよね。
一応ラストのウィスキーとの対決はカメラワークも動きもとても素晴らしいものの、前作の教会の乱闘ほどの興奮は得られず・・・。
カントリーホームは良いけれど・・・
(もうこの二人アホなやり取りが観れないと思うと寂しいですな)
前作でも和みキャラだったマーリンが今作でもいい感じに和みます。
そんなマーリンがカントリーホームを熱唱しながら、爆散してしまうのは涙腺にぐっと来ました。
でもマーリンの死のキッカケがプロスパイのキングマンらしからぬ、凡ミスによる「地雷踏んじまった!」ってのが激しく微妙なんです・・・。
やっぱりここら辺の感動へと導く過程が雑だと、感動する部分はあれどモヤっともしちゃうんですよね~。
ハリーの扱いが雑すぎる
(眼帯によってダンディ度は上がったんだけどね~、もっと活躍する所が観たかった)
前作で「渋くてカッコイイアクションスター」の名を手にしたコリン・ファース(ハリー)の扱いが今作はちょっとよろしくない。
大体記憶を失ったハリーはキングスマンになる前の夢だった蝶博士になろうとしてたんですよ。
それを無理やりキングスマンの道に戻そうとするのにまず違和感を感じるんですよね。
それに蝶の幻覚による伏線も特にこれと言って回収されずいつの間にか治ってるし・・・。
そして期待していたハリーの勇姿がたいして観れないのが、やっぱり一番大きな不満ですね。
「渋くてカッコイイハリー」を観たかった人って多いと思うから、今作のハリーの扱いにがっかりした人はわりといるんじゃないでしょうか。
僕も「記憶を失ったハリーが仲間の危機に復活!→窮地へと駆けつけて古参キングスマンならでは戦闘力で大活躍!」っていうテンプレのような復活劇を期待してたんですけどね。
失敗の原因は色々と盛り込みすぎか
(チャニング・テイタムとハル・ベリーを出す必要性はあったのだろうか)
今作のキングスマンは個人的には失敗だと思っています。
まあ、観る前に予告で散々期待値を上げすぎたせいでってのもあるでしょうけれど、今作にはまとまりを感じません。
邪魔になるから無理やり死なせたとしか思えないロキシー、煮え切らない燃えないハリーの復活、マーリンの凡ミスによる唐突な死亡、スピンオフのためだけに出てきたテキーラ。
これら全てが続編のノイズとして映画の邪魔をしてるんですよね。
チャニング・テイタムのスピンオフへの期待は・・・ない
どうやらテキーラのスピンオフが出るらしいです。
だからあんなチョイ役なのにチャニング・テイタムが出てたんですね~。
でも個人的には「うーん、いる・・・?」って感じです。
いや~、チャニング・テイタムは好きなんですけどね。
ただ本編にあんな風に出張ってくる必要なかったんじゃないの~?って思うわけですよ。
それこそラストにチラッと顔見せするくらいで良かったんじゃないでしょうか。
大体スピンオフって魅力的なキャラだから気になるし観たくもなるわけなんだけど、テキーラは出番少ないしネタキャラだしでスピンオフ出されても・・・ってのはありますよね。
まとめ
単品で見ればそこそこ面白いいい作品なんですけど、続編としての期待値が高すぎたか個人的には今作は激しく微妙でした。
ただタロン・エガートンは相変わらずキュートな男だし、コリン・ファースの蝶博士とハリーとの演じ分けに「役者ってスゲー!!」って思えるし、アクションてんこ盛りで見所がないわけではありません。
しかし、全てにおいて続編としてはイマイチなのも事実だったんですよね。
なのでまああまり期待はしていないものの次回作のテキーラのスピンオフが、初代のような勢いのある作品になっていることを願いましょう。
ラストの威風堂々の使い方と協会のバトルが話題に上がりがちだが、全体的に丁寧なストーリー運びも凄く良い。
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