[本当の恐怖は]ドント・ブリーズ ネタバレあり&なし 感想[視えないことではない!?]
予告
80点
ムキムキマッチョの盲目変態爺さん
「盲目のサイコパス」がこそ泥を追いかけ回して恐怖のどん底に突き落とす。
斬新すぎる設定に期待していた人も多いんじゃないのでしょうか?
この手の「弱そうと思ったけど実はヤバいやつ」って言うのは言わば「96時間」とかの流れと一緒。
ヒーローがヤバイやつかヴィランがヤバイやつかくらいしか違いはなく、視聴者が求めるものは本質的には同じなんですよね。
ようは「コイツやっべえぇえええ」、「フルボッコきんもちいぃいい」みたいなもんを感じられればそれでいいんです。
でもこの映画は意外とそういうのはそこまでなかったんですよね~。
だから当初の目論見は見事に外されたわけなんですけど・・・
それでも面白いと思えたのはこの盲目の爺さんの「最終目標」です。
読めないほどインパクあるわけではないけど、絵面的にはそーとーキテるので未見の人はネタバレ前に観ることをオススメします。
目次
ザックリと中盤までのストーリーを紹介(ネタバレ無し)
・ロッキー、アレックス、マネーの三人は空き巣をやって小銭を稼いでいた
・ある日マネーは盲目の爺さんが娘を事故で失い、多額の慰謝料をもらっている情報を入手
・アレックスは現金を盗むリスクを懸念し一時は離脱するが、ロッキーに惚れているため渋々参加
・盲導犬兼番犬?を眠らせ爺さんの家に侵入する三人
・しかし金をおいてあるであろう部屋は頑丈に封鎖されており、アレックスは脱出
・マネーは拳銃で強引にドアを破るが、そこに家主の爺さんがやってくる
・盲人とは思えない機敏な動きでマネーを捉え射殺
・その好きにロッキーは金を入手するが爺さんに感づかれ目隠し鬼開始
・ロッキーを助けに帰ってきたアレックスと一緒に地下に逃げ込むとそこには、爺さんの娘を引いた張本人シンディが閉じ込められていた
・シンディを助け逃げ出そうとするが、すんでのところで爺さんに見つかりシンディは誤射で死亡
・怒り狂う爺さんは家の電源を落としてロッキーとアレックスを暗闇の世界へと誘い追跡を開始する・・・
眼の視えない相手に終われる恐怖
(目の前まで来られても発見されないのが逆に恐怖を煽る)
この映画のコンセプトがもう素晴らしい。
眼の視えないサイコパスに追われるとかもうこの設定だけで観たくなっちゃいますよね。
そして眼の視えない相手を活かした演出がいいんですよね。
爺さんは眼が視えない代わりに耳が超発達しており滅茶苦茶いいんです。
あと家のどこに何があるのか完璧に把握しているんですよね。
この設定はるろ剣の雨水とかジョジョリオンの大弥ちゃんを思い出します。
(大弥ちゃんのように、爺さんもどこに何があるのか完璧に把握している。)
だから映画にありがちな銃をバンバンぶっ放してるのに全然相手に当たらないという事に必然性が生まれるんです。
でも耳は超いいし、元軍人で銃の扱いには慣れてるから全く当たらないわけではない。
そして何よりもこのシビレル設定を爺さんを演じたスティーブン・ラングの肉体が更に説得力を持たせてくれてるんです。
とても60を超えたとは思えない強靭な肉体。
そう言えばX-メンでケーブル役をやるとかの噂がありますよね。
Shakespeare:”CABLEs of perdurable toughness”. Slang: Just staying fit. Training another story. Let’s go! #Deadpool pic.twitter.com/cCZ2WTzPi9
— Stephen Lang (@IAmStephenLang) 2016年2月14日
中盤までは割と平凡なホラー
設定は斬新なものの中盤まではわりと平凡なんですよね。
眼の視えないという斬新さも流石に4,50分も見せ続けられれば慣れてしまうもの。
登場人物が三人しかいない為、爺さんをホイホイ無双させるわけにもいきません。
だから予告にあるようにマネーが即退場した後は基本的にロッキーとアレックスの2人との鬼ごっこなんですよね。
ぶっちゃけここらへんはわりとダレました。
逃げれそうで・・・でも逃げれない!って展開を何度も繰り返すだけだしね。
でも終盤のある事実が発覚するした時の衝撃はかなりのもの。
後半からの展開を紹介(ここからネタバレ注意!)
・鬼ごっこの末アレックスはフルボッコにされて死亡、ロッキーは捉えられる
・ロッキーはシンディの捉えられていた部屋に連れて行かれ、宙吊りに吊るされる
・そこで爺さんは何故シンディを拘束していたのかを説明し始める
・なんとこの爺さん・・・殺された娘の代わりにシンディに自分の子を産ませようとしていたのだった
・しかしロッキー達の侵入のせいでシンディは誤射で死亡、シンディのお腹にはすでに爺さんの子供がいたのだという
・捉えられたロッキーにシンディの代わりにお前がおれの子を生むんだよという爺さん
・ロッキーのズボンをハサミで切り抜き、爺さんは冷凍保存していた自分の子種をスポイトで注入しようとする
・死ぬほど嫌がるロッキーだが、もはや万事休すと諦めかけたその時死んだと思っていたアレックスが助けに入る
・実はアレックスははさみで刺されて死んだと思われていたが、隣のマネーの体に刺さって「アレックスを刺した」と爺さんが勘違いしていたのだ
・何とか2人で逃げ出すも爺さんの追跡によりアレックスは家を脱出する寸前で撃たれて死亡
・ロッキーは爺さんとタイマンで何とか勝ち残り、大金を手に脱出
・娘と何不自由ない暮らしを手に入れたロッキーは、ニュースで爺さんがまだ行きていることを知り戦慄して街を逃げ出す
・駅で2人を見つめる影が一瞬写りEND
斬新さと戦慄は眼が視えない・・・ではなかった!
(途上人物がこの三人+爺さんだけなのでちょっと物足りない)
この映画の素晴らしい所は2つ。
序盤の眼の視えない相手に追われる恐怖。
これは予告の時点で堪能できるし実際映画を観ても楽しめました。
でも不満もあったんです。
おもったよりも爺さんが強くないし(眼が視えない事を考えれば十分強いけど)驚かせ方も特に斬新さはないですからね。
でもね~、そんなもんは爺さんの目的に比べれば小さいもの。
まさか「自分の娘を産ませよう」だなんて・・・スタンドも月までブッ飛ぶ衝撃でしたよ。
マニアックで斬新すぎる復讐劇
シンディが囚われている時点では「あ~、復讐ね。ありがちだわな」なんて思ってました。
その後シンディが死んだ時に爺さんは「わしの娘が・・・」がまた上手い。
爺さんを「他人を自分の娘に見立てて監禁してる」というありがちなサイコパスだとミスリードさせてるわけですからね。
でもアレックスを捉えて白い瓶を取り出した時に「ん?おい、まさか・・・」と嫌な予感が走り、アレックスのズボンをハサミで切りはじめたあたりで背筋に寒いもんが走りましたよ。
そしてスローシーンで歩く爺さんにスポイトから垂れる白い物体・・・
吐き気と背徳感と嗚咽と何とも言えない気持ちを味わいましたよ・・・(‘A`)
特に助けられたロッキーがスポイトを爺さんの口にぶち込むシーンは「うぇ・・・」って思わずえづくレベルです。
ちなみに一緒に観ていたのりたま何かは顔を歪めながら本気で気持ち悪がってましたよ。
宙吊りにされた美女、一箇所だけ切り抜かれたズボン、という所まではわりと背徳感を感じるシチュエーションだけど・・・
白ジャムとスポイトは流石にマニアック過ぎですね。
まとめ
眼の視えないサイコパスよりも爺さんの目的の方が遥かにぶっ飛んでました。
爺さんの目的があーでなければ「ちょっと設定が新しいだけのホラー」でしたね。
でも終わり方もあと引く感じが最高だったし個人的にはかなり楽しめた映画です。
続編で眼の視えない爺さんがジェイソン・ボーヒーズの如く色々な若者を逆さ吊りにしていく・・・なんて思いっきりコメディにしても面白そう。
まあ、十中八九続編は出ないでしょうけど。
悪もんが悪もんに手を出したら、その悪もんは更にヤバイやつだった!な映画。
こっちのほうがスプラッタ要素が高くて爽快感はあります、ただ終盤の展開は個人的には激しく微妙です。
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