[フレンチホラーの]ハイテンション ネタバレ 感想[入門編]
あらすじ
あまりにも残虐な殺戮シーンのため日本での公開が長い間見送られていたフランス産スプラッター・ホラー。親友アレックスの実家で週末を過ごすことになった女子大生マリー。ところがその夜、突然訪ねてきた謎の男がアレックスの両親と弟を惨殺、さらにトラックでアレックスを連れ去ろうとする。マリーはなんとか彼女を救おうとするのだが……。殺人鬼に立ち向かう主人公マリーを「ロシアン・ドールズ」のセシル・ドゥ・フランスが熱演。(映画.comより)
80点
ハイテンションのタイトルに偽りなし!
スプラッターホラーと言えば今や韓国や中国も負けてはいないんですが、この当時はフランス映画が一際抜けていたかと思います。
フランス映画のスプラッターって独特の魅力がありますよね。
「屋敷女」、「マーターズ」、「フロンティア」・・・とにかくフレンチホラーってスプラッターで胸糞のイメージが強烈。
でも嫌なのに気分悪くなっちゃうのに観たくなるのって何なんでしょうかね~。
そんなフレンチホラーに僕がハマったキッカケがこの映画だったと思います。
当時観た時の衝撃は脳髄を刺激するものがありまして、まさに開始から終わりまでテンション上がりっぱなしでしたよ。
というかアレクサンドル・アジャ監督の映画って全部見てるんですけど、意外とハズレが無くて面白いんですよね。
ザックリとストーリー紹介
・マリーとアレックスは仲良くアレックスの実家に向けてドライブをしていた
・無事についた2人はアレックスの家族に暖かく迎えられる
・そこに女性の生首で自家発電をしていた小汚いトラックにのったおっさんが登場
・アレックスの家族を色んな方法であべししていく
・マリーは何とかその魔の手から逃れるがアレックスが拉致されてしまう
・アレックスを助けるためにトラックを追いかけるマリー
・何とかアレックスを助けだすも実はアレックスを攫ったおっさんがマリー自身だとわかる
・マリーから逃げるアレックスをまだ助けようとしているつもりのマリー
・しかし最後はアレックスに拒絶されマリーは精神病院行きしてEND
実はゴアシーンはそこまででもない
(言うほどショッキングなシーンはない)
この映画の魅力ってゴアシーンだけではないんですよね。
だってそのゴアシーンはフレンチホラーにしてはマイルドですもの。
確かに衝撃的なシーンはいくつかあるものの、隠すことなく全部みせたるでー!っていう「ムカデ人間」のようなグロではないんです。
どちらかと言えば「極力見せないで想像を掻き立てるタイプ」なんですよね。
僕はどちらかと言えば丸見えタイプの方が得意でして・・・
マーターズや屋敷女のような丸見えホラーはグロさは感じないんです(精神的にはボッコボコにされるけど)
どちらかといえば見せないで怖がらせたり気持ち悪さを出させる系統の見せ方のほうが精神的にきますね。
まあ、ようは精神ブレイクに弱いってことですね(^^;)
あ、でも「SAWシリーズ」は何故かスッゲー苦手です(どっちなんだ!?)
純愛✕スプラッター
(おっさん形態でもまりー形態でも自家発電がお好みのマリー)
所謂「自分自身が犯人でした」系のオチなんですけどこれがまた賛否両論なんですよね。
でも僕はこのオチが結構気に入ってるんですよ。
マリーは完璧にイカれてるわけではなくアレックスを愛するが故に盲目なんですよ。
でも「盲目だからこそ現実の世界すら見えなくなってしまった」っていう見方もできるじゃないですか。
だから僕はマリーに同情的というか、何かいいなって・・・
吉良吉影がモナリザの手を見てアレをおっ立てた時と同じような気持ちを僕はマリーにいだきましたね(危ない発言)
そもそも愛情って突き抜けてしまえば破壊行為に繋がると思うんです。
だって壊してしまえば失ったものへの愛の深さに気づけるから。
とは言え破壊衝動と愛情行為って似て非なるものだから、アレックスを愛するマリーと破壊して自分のものにしてしまいたいという矛盾がおっさんの人格を産んでしまったのでしょう。
実際マリーの顔の時は健気すぎるほどにアレックスを愛でようとするし、おっさんの時はこれでもかってくらい破壊しようとしてますしね。
矛盾点はどうなってるの?
(これはマリーの妄想だったのか?しかしトラックはどこから・・・?)
この映画のオチが叩かれる理由は矛盾点なんですよね。
時間軸も今一わかりづらいし・・・
・あの女の頭は誰?(妄想?)
・そもそもトラックはどっから調達してきたのか?(あらかじめ準備してた?)
・マリーが車で逃走しているおっさんを追うシーンは?(実は車はなく妄想?)
何かまだありそうな気はするけどスッゴイ気になるのってこのあたりでしょう。
やっぱりこういう矛盾点があると映画って楽しめないですよね。
でもね~、それを考えても仕方ないかなって思うんです。
だって多分そこまで考えて作ってないのだから。
この映画はハイテンションの名の通りテンションだけで作っちゃった映画なんじゃないんですかね?
普通なら脚本に矛盾や不備があるかチェックするでしょうし。
でもハイテンションは「うぉおおおお!スプラッターやるぞー!」とか「ウォおお!どんでん返しやるぞー!」って勢いだけで作ったのではないでしょうか。
まあ、あえて答えを用意するのなら「都合の悪い部分は全部マリーの妄想ということで・・・」ってことでいいんじゃないですかね(投げっぱなしジャーマン)
まとめ
矛盾点てんこ盛りなのを加味しても面白い映画です。
フレンチホラーの金字塔・・・なのかはわからないけどフレンチホラー初心者入門編としてはマイルドでいいかな~って思います。
いきなりマーターズとか観ちゃうと多分二度とフレンチホラーに触ろうとも思わなくなりそうだし・・・(^^;)
お勧めのフレンチホラー
(左が本家、右がリメイク)
精神汚染映画としてはかなりのレベルです。
後半は苦痛意外なにもありません。
続編はちょっとスカッとする映画なので観るときはペアでどうぞ。
両方の感想を書いてるので気が向いたらどうぞ
度胸のある方はアンレイテッド版をどうぞ。
ポンポン痛くなる映画です。
ゴア度は凄まじいけど劇中でギャグっぽいシーンもあるからか胸糞度は意外と少ない。
評判いいんだけど観てない映画。
もしかしたら観たかもしれないけど・・・とりあえず今度観てみようと思う。
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