[ポール・バーホーベン]インビジブル 映画 ネタバレ 感想 [特集2]
あらすじ
H.G.ウェルズ原作の「透明人間」を下敷きにしたSFホラー。自らの身体を実験台に、DNA操作による人体の透明化に成功した科学者・セバスチャン。だが研究は未完成で、彼は元の姿に戻れなくなってしまう。一生自分の姿を鏡で見る事ができないという彼の絶望は、やがて研究仲間への憎悪に変わって行く。SFXを駆使したハードな設定ながら、透明人間による女体への悪戯や覗きといった“お約束”もちゃっかり描いているところが微笑ましい。(allcinema ONLINEより)
予告(予告らしい予告がなかった・・・)
75点
透明になれるとしたらアナタは何をしますか?
はい、ということでバーホーベン特集第二弾です。
バーホーベン作品の中では監督らしさが弱く一般受けしやすい映画なのかな~って思います。
もっとも監督本人は「空っぽな作品」とか「スタジオの奴隷になった」と言っていますけど・・・
まあ、バーホーベン✕透明人間というこれ以上ないくらいソソる内容なのに出来上がった映画はぬるま湯のような映画ですからね。
きっとバーホーベン監督はやりたかったことの10分の1くらいしか出来なかったのだろう。
そしてバーホーベン監督に期待していたであろうディープなファンや紳士諸君もさぞやガッカリだったでしょうな。
そういった背景はカットされた未公開シーンからなんとな~く想像できちゃいますね。
あ、ちなみにこの映画、今観ると大したCGではないんだろうけど当時としては画期的だっとかなんとか。
CGの進化スピードって凄いですよね~。
ザックリとストーリー紹介
・傲慢で性格にちょっと難はあるセバスチャンは国の国家機密である透明人間プロジェクトを研究していた
・透明化には成功するものの、副作用で凶暴化するのに頭を悩まさていたし元に戻す薬の開発にも苦戦していた。
・そんな中でセバスチャンは自分の体を使って禁断の人体実験をやることに
・実験は成功するもののやはり元に戻す薬の開発にまで辿りつけない
・透明人間になった副作用と人体実験のストレスで凶暴化していくセバスチャン
・仲間は管理しきれないと上に報告することを決めるが、それを知ったセバスチャンは同僚や上司を次々に暗殺していく
・暗視ゴーグルや火などを使いマットとリンダが何とかセバスチャンを倒してEND
男の子の妄想を実現!
(流石に2016年ではチープさが隠し切れないCG)
透明人間になるという男の夢が詰まった内容を映像化するというこの企画。
燃えないはずが無い。
と言うと変な性癖でも持ってるんか己は!って思われそうですが。
でも透明人間ってやっぱり男の子なら一度は憧れますよね!?
特に多感な中学生くらいの時には透明人間になって女湯を覗く~とかって妄想はテンプレだと思うんですよ。
そしてこの作品は多少の物足りなさは感じるものの、思春期の中学生の妄想を映像化してくれているんですよね。
透明生活もいいことばかりではない
(男の子の夢である透明人間)
透明人間になれればあんな事やこんな事もやりたい放題でムフフ・・・
犬猿の仲の同僚にセクハラまがいのイタズラしたり・・・
向かいに住んでる美女の家に侵入したり・・・
ここのカメラワークは実に変態っぷりが出てて良かったです(笑)
鏡を動かしたりするイタズラも子供っぽくて好き。
ちなみにここでカットされたシーンがあります。
気になる人は自分で検索してみてね!
さて良いことばかりかとおもいきや見えない事で大変なことも盛り沢山。
・透明だと外を歩くと誰にも見えないので車に跳ねられかねない。
・そして瞼が無いから寝る事すら一苦労・・・というか絶対寝れなそう。
・食べ物も消化されるまで丸見えで超不気味。
世の中見えてたほうが良い事も多いもんですな。
一応透明になる前の画像も貼っておきますね!
(傲慢で自意識過剰だけど一応犯罪には葛藤を抱いていた)
一般受けなんてクソ喰らえだ!
この映画ね~、本当残念だな~って思うんですよ。
だって透明人間✕バーホーベン✕SFなんて面白くならないはずがないでしょう。
あ、ここでの「面白い」の定義はもちろん興行収入とか一般受け的な意味ではなくて・・・
オランダの変態監督✕変態要素たっぷりの題材で「面白くなる」って意味です。
でねー、この映画自体は面白いんですよ、それなりに・・・いや結構面白いです。
でも全く毒気が無いんですよね。
ティーン・エイジャーでもサクッと観れちゃう内容だし、何なら家族で観てもそこまで気まずくなることもないでしょう(いや、流石に気まずいかな?)
よっぽどパチンコアクエリオンのCMの方がお茶の間を凍らせたって話ですよ。
そして僕らがバーホーベン監督に求めてる映画はそんな安定したエンタメではないんです。
トラウマ量産機であり、シュールでブラックな笑いであり、妖艶で目が離せなくなってしまう女性描写なのですよ。
そりゃ興収の事を・・・とかって大人の事情を考えたらどうしてもデキないことも多いだろう。
でもそれなら別の監督に撮らせればよかったのでは?って話でしょう。
今回のはいわばギャスパー・ノエにトワイライトのようなティーン・エイジャー向けの純愛撮って~って言ってるようなものですよ。
そんで実際に撮ったら地味に良い物が撮れた、売上もあった、でも監督もファンも満足していない・・・って結果になったんでしょうね。
もし実現しうるならもっかいバーホーベン監督にセルフリメイクして欲しいものです。
それくらい可能性のある題材と監督の組み合わせだったと思うんですよね~。
まとめ
サイエンスホラーとしては非常によく出来た作品。
しかしバーホーベン監督の変態っぷりを観たい人にはガッカリな作品です。
ただケビン・ベーコンの変態傲慢サイコ科学者っぷりは一見の価値ありなので、彼のファンでもそうでもない方でも是非観て欲しいなって思いますね!
まあ、中盤以降は透明人間っていう設定上殆ど顔は出ないんですが・・・(^^;)
クリスチャン・スレイター主演のまさかのPart2。
ストーリーが全く思い出せないんできっと微妙だったのだと思う。
大好きな映画。
ケビン・ベーコンは悪の親玉なんだけど何か憎めないキャラしてます。
こんばんは中村です。
インビジブルはよくロードショーなんかでやってましたよね。
あの頃はまだ映画なんて全然見てなかったんで普通に面白く感じたものですが、今見ると確かに少し味気ない印象は拭えないですね。
この手の話は、デヴィッド・クローネンバーグあたりがやると不気味さが増して良いかと思っていたんですが、どうでしょう?ちょっと彼の趣向とは違いますかね。
本文中に出てきたギャスパー・ノエが純愛系ラブストーリーをやるとどうなるかなぁと考えてみたんですが、想像がつかないですね。「カルネ」のシーンみたいにドン!ドン!の音の間に月日が経って娘が思春期になり、男を連れてきた娘に対して主人公のお父さんが「ダメだ!」って言って娘が怒って出て行くんでしょうね。お父さんはきっと食卓に上がってる馬刺しをひっくり返すことでしょう。そして娘と男の逃避行、お父さんの追いかけっこが始まり最後にはお互いの成長した姿を認め合いハッピーエンドな心温まる物語…とは真逆な映画を今後も期待しております。
と、こんな妄想はいいとして、最近バーホーベンについてのまとめをされているようで、懐かしいなと思いつつも彼については正直あまり知らないため、なかなか奥深くまで考えながら見ることができないので、ここらで一度監督自身の趣味嗜好について調べてみようと思います。
かなり我の強い人みたいなので、今まで見たものでもまた違う見方が出来そうですね。
中村さんこんばんは!
一時期良くやってましたよね~、昔はテレビでやってると何度も観てるはずなのについ観ちゃってました。
今ではテレビ自体を観ないし、映画は簡単にネットで借りれちゃうしで、便利なんだけど何だかちょっぴり寂しく感じたり・・・
確かにクローネンバーグがやると笑いが一切排除されて、ドロッドロとした不気味な映画になりそう!
でも微妙にジャンルが噛み合わなそうですよね~。
上手いオチに持って行きましたね(笑)
ただ「アレックス」みたいなのは、心にクるんであんまりどぎついの撮られても、観たいような観たくないような複雑な気分になります。。。
といいつつやっぱり観ちゃうんでしょうけどね(^^;)
実は僕もバーホーベン自身に関してはそこまで詳しくないんですけどね。
舞台裏の話や映画の撮影スタイルで「こんな性格かな~?」って妄想してる感じです。
でもエキセントリックな性格なのは間違いなさそうだし、更に詳しく調べてから映画を観ると全く違う印象を受けたりして楽しめそうですね!
こんにちわです。
僕のこの映画の思い出は、テレビ放送の翌日は必ずクラスの半数が色めき立ってたことぐらいですかね…
何度目かの放送で、エロシーンがほとんどカットされたバージョンが放映された次の朝に、「映画見てあんな興奮したの初めてだわ」と仰ってた山○君、お元気ですか。
ハリウッド産の透明人間の映画で、覗きはじめとしてエロいことしちゃる!っていうストレートすぎる発想には驚かされましたが、それ以外あまりバーホーベン節を感じられない一本ですね。
ハリウッドに愛想を尽かすきっかけになった作品だけに、個人的には大変残念な印象です。(引退前にもう一度でいいからハリウッドに戻ってきて贅沢な作品を撮ってほしい!その際には念願だったシュワ主演の十字軍映画を是非!)
自分もそこまでバホベンさんに詳しいというレベルじゃないのに前回のコメ欄では偉そうに一説ぶっちゃいました。あくまで個人の主観ということで一つよろしくお願いします。
どーでもいいことですがこの映画の見所であるスケルトンボディを見てると、公開年が近いこともあってハムナプトラのイムホテップ様思い出すんですよね。
あちらもミイラでターミネーターをやる!というのが初期のコンセプトらしく、映画って色んなところで繋がっているんだなぁとしみじみ実感します。
もぶさんこんにちは~!
あ~、ありましたね~。
僕らの場合は「氷の微笑」が地上波で流れた時にクラスで「昨日の映画観たか!?」って一部で盛り上がってましたよ。
山◯君の素直さにホッコリしますねえ。
そうなんですよね~、発想も題材も映像クオリティも予算も足りてて唯一足りてないのが変態度だったんですよね。
まあ、それもオトナになった今だからこそなんでしょうけど・・・
バーホーベン版シュワちゃんの十字軍映画とかたまりませんね。
さぞや血湧き首が飛び真っ裸がおどるのでしょうなあ。
了解しました!
でも個人の主観の方が真実と正論だけのお話よりも面白いと思えるのでいつでも大歓迎ですよ(^^)
イムホテップも透明になりましたっけ?
イムホテップ繋がりということで僕もどうでもいい話を1つ・・・
イムホテップ役の人が「オッド・トーマス」という映画でチョイ役でギャグキャラやっていたのに気づいた時はお茶吹きかけました。
おぉ!ターミネーターをやるってのが初期コンセプトだったのは初耳です。
そういった映画の繋がりを知るのってなんだか楽しいですよね!