フォーリング・ダウン(オススメ作品!) ネタバレ 感想
あらすじ
ロサンゼルスを舞台に、日常生活に疲れた平凡な男が理性を失い、数々の事件を起こしていく姿を描くサスペンス・スリラー。監督は「フラットライナーズ」のジョエル・シューマカー。製作は「プラトーン」のアーノルド・コーペルソンと、「キンダガートン・コップ」の脚本を共同執筆したティモシー・ハリスとハーシェル・ワイングロッド。エグゼクティヴ・プロデューサーは「ジャック・サマースビー」のアーノン・ミルチャン。脚本は本作がデビュー作となるエブ・ロー・スミス。撮影は「マイアミ・ムーン」のアンジェイ・バートコウィアク。音楽は「生きてこそ」のジェームズ・ニュートン・ハワードが担当。主演は「氷の微笑」のマイケル・ダグラス、「ランブリング・ローズ」のロバート・デュヴァル。ほかに「パリス・トラウト」のバーバラ・ハーシー、「黄昏のチャイナタウン」のフレデリック・フォレスト、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」のチューズデイ・ウェルド、「トータル・リコール」のレイチェル・ティコティンらが共演。(映画.comより)
予告
(サヨナラおじさんこと淀川長治の紹介付きでどうぞ!)
95点
わらしべブチ切れサラリーマン
何をやっても上手くいかなかったり不運が重なってやればやるほど裏目に出てしまい「もうど~にでもな~れ\(^o^)/」って全てが嫌になって何もかもを放り出したくなった・・・
そんな経験って誰でもあると思うんですよね。
でも僕たちは大人になってしまっていてどれだけ絶望的な状況でも理性が働いてしまい破壊者になんかはなれないんですよね。
いやまあならない方がいいんだけどね(^^;)
そんな時にこの映画を観るとスカッとすると同時にちょっと虚しくなります(意味ないやんけ!)
ザックリとストーリー紹介
・しがないサラリーマンのDフェンスは渋滞に巻き込まれエアコンはぶっ壊れハエがブンブンうるさい
・突如頭の中の何かがキレたDフェンスは車を乗り捨てて娘の誕生日のために家路につこうとする
・道中でボッタクリにあったりDQNを撃退したりしつつ武器をわらしべ長者していく
・流石に暴れすぎて警察が動き出してDフェンスは追われる身となる
・娘の誕生日プレゼントを買い(強奪とも言う)娘に会いに行くが刑事と遭遇
・Dフェンスはおもちゃの銃で撃つふりをして刑事に撃たれてしまいEND
言いたいこと言っちゃうおじさん
Dフェンスはただ家に帰ろうとしているだけなのにその先々に「些細ないざこざ」に巻き込まれちゃうんですね。
多分普通の人ならサラッと流せる程度の問題でしかないんですけどキレたDフェンスにはそれがもう我慢なりません。
だからブチのめし我を通していく。
「返って娘の誕生日を気持よく祝いたい」という一つの目的のために。
たったそれだけなのに何故この映画はこんなにも面白い!ワクワクする!って思わせてくれるのでしょうか?
それはきっと僕らも実は「些細ないざこざ」に対して本当はそりゃねーよって本音を言いたいのかもしれません。
Dフェンスはやっかいなクレーマーにしかみえないこともあるけど「事なかれ主義」に侵食された現代人には嫌なこと気に喰わないことにキッパリ文句を言えてしまうDフェンスに爽快感を覚えるのでしょう。
表裏一体のDフェンスとデュバル
この映画ではもう一人ブチ切れる人がいます。
それが刑事デュバルです。
デュバルは妻のことや周りの同僚に配慮して生きる「事なかれ主義」だったけどDフェンスとは違った方向にキレます。
そんでこの2人色んな部分で対比になってるんですよね。
Dフェンス
・怖い夫
・良き妻を持つ
・キレっぽい
・人望はない(なさそう)
デュバル
・良き夫
・病的な妻を持つ
・温厚
・分かってくれる人はいる
こうやってみるともしかしたらデュバルはDフェンスが道を間違えなければ辿りつけたもう一つの未来だったのかもしれません。
Dフェンスの本質
この映画の一番気になるのってやっぱりDフェンスの本質ですよね。
映画の最後のほうで家族に自分の我を押し付ける怖い父親だということを客観的に観てしまいDフェンスは絶望するのだけど・・・
果たして彼は本当に悪い父親だったのでしょうか?
確かに彼は多少粗暴でキレっぽい部分もあったとは思うけど最後には娘の為に保険金を残すために大胆な行動にでてます。
いや、もちろん正しい行いではないけど・・・
でもどんなに粗暴でもキレっぽくてもやり方が間違ってても娘の事や妻のことは本気で愛してるのはわかるだけに切なかったです。
こんなにもDフェンスに感情移入するのは理由がありまして・・・
僕の親父ってかなりDフェンスに似てるんですよ!
Dフェンスのようにお店の人に突っかかるとか日常茶飯事!しかもそれは家族に対してでも例外ではありません。
だから僕は家族旅行とかそういった経験は殆ど無いしむしろトラブルとケンカばかりで旅行なんぞ何一ついい記憶はないですね。
ちなみに親父のDONエピソードは死ぬほどあるのでその一部を紹介してみます。
・高い高いが嫌だって言ってんのに無理矢理やられて岩に落とされて一生ものの傷になる
・親父の趣味(釣りとか)に無理矢理付き合わされる(断ると人格批判とか喚き散らしてキレるのは日常茶飯事)
・飯を無理やり食わされる(不味かろうが満腹だろうが病気だろうがお構いなし)
とまあうちの母ちゃんが真剣に何度も別れを考えるほどのDQNっぷりでした。
実際に僕が成人すると同時に離婚しちゃいましたがw
でもそんな親父だって僕が成人するまでしっかり養ってくれたし様々な押し付けだって良かれと思ってやっていたわけだしね。
こういった経験もあってか僕は粗暴でキレっぽくてでも本当は家族の為を思っているDフェンスが自分の親父の昔の姿を見てるようでなんとも言えない気持ちになるんですよね。
あ、ちなみに親父との関係は今はかなり良好です、離婚で親父も思う所もあったのか落ち着いたんですよね。
まとめ
スカッとする系の映画ではあるんだけどラストで色々と考えさせられる映画でした。
しかしオトナになるとキレるって行為は殆どなくなりますよね。
キレる行為自体が反社会的でモラルに欠ける行為だと思われていますし・・・
でもそんな社会って本当に正しいのでしょうかね~。
Dフェンスほど無茶したいわけではないけどもーちょっと自分に素直に生きたいもんですな。
ということで反町隆史の「POISON」を貼っておきますね。
(大体ポイズンってなんだよ、言いたいことも言えないのと何の関係があるんだ、ってどうしても突っ込みたくなっちゃう)
若返ったマイケル・ダグラスが見れちゃうよ!
ちなみにマーベル系でもかなりの良作です。
こんなんされた日にはそれこそ本気でキレていいと思います。
ジョエル・シューマカー監督の作品。
悪いことをするとお天道様が見てなくても怖い人が見てるぞ~な作品。
コリン・ファレルのへの字まゆが癖になる映画です。
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