新宿インシデント ネタバレ 感想
あらすじ
ジャッキー・チェン製作・主演の下、アジア各国で活躍するスタッフ・キャストが集結したバイオレンスドラマ。行方不明の恋人を探すため、中国から日本に密入国した鉄頭。新宿・歌舞伎町にたどり着いた彼は、同じく不法滞在の仲間たちと共に過酷な日々を送っていたが、やがて裏社会へと足を踏み入れ……。監督は「ワンナイト・イン・モンコック」のイー・トンシン。共演は「女帝」のダニエル・ウー、「墨攻」のファン・ビンビン、竹中直人ほか。(映画.comより)
予告
90点
シリアスなジャッキー
どうも親父がジャッキー・チェンにクリソツで良く友達にネタにされるゆでたまです。
僕は母親に似たんで親父とは余り似てないんですよね。
ちなみにうちの親父は純日本人です。
っとどうでもいい前置きはこれくらいにして・・・
ジャッキー・チェンといえばアクション映画をイメージする人がほとんどでしょう。
また子供でも観やすいようにコミカルなアクションばかりですしね。
しかし本作はそのアクションとコミカルさを完全封印し日本と中国の闇の一部を描いています。
個人的には先日公開された「綺麗すぎる中国人像」のドラゴンブレイドよりもこっちの闇を題材にした方が好きですね。僕のドラゴンブレイドの感想はこちら→ドラゴンブレイド ネタバレ 感想
まあ、ドラゴンブレイドは大衆娯楽作品なので中国がどーたらってのは興味ない人が多いと思うしそういう趣旨で作ってないのは大いに分かってはいるんですけどね。
でも中国で育ち中国の歴史を知っている身としては鼻につくぐらい潔癖な作りだったのでつい斜めに観ちゃいました。
ん~、例えるなら日本人が外人も交えても盛り過ぎなくらい日本マンセー!!ってしてたらちょっと嫌だなって感じる人いません?
そんな感じです(どんな感じだ)
カンフーを使わないジャッキー
カンフーアクションをやらないけど中身はいつもの「正義感が強く仲間のために戦うジャッキー」です。
ただ戦う相手が悪者から「貧困」に変わっただけですね。
アクション自体もそこそこありますけどジャッキー節は完全封印されどちらかと言えば日本のヤクザ映画のような感じ。
だから普段のジャッキー映画しか知らない人が観たらかなりグロいと思っちゃうかもしれないです。
リアルな日本
洋画に日本が出てくると大抵は「違う、そうじゃない」って思うような日本の描写が多いですよね。
この映画ではよっぽどリサーチしたのか日本の監督さんに協力してもらってるのかリアルな日本になってます。
間違っても「ウルヴァリン:SAMURAI 」みたいに「新幹線の上でミュータントとドス一本で戦うようなヤクザ」は出てきません。
中国人が悪いのか貧困が悪いのか
この映画の焦点は密入国して働く中国人に焦点があてられています。
中国という民族が悪いのかそれとも彼らを追い立てている貧困が問題なのか。
果たしてこの問に答えを出せる人間はいるでしょうか?
国が発展すれば貧富の差は必ず広がる。
「誰かが肥えれば誰かが飢える」
それは人間社会における摂理だし仕方のないことでしょう。
しかし実際に飢えている立場にたったとしてそんなこといえますかね?
僕がいた中国って農村の方では学校に行けない子どもがゴマンといました。
彼らは良識や良心を学ぶ場すら与えられることもなく育ちます。
そんな彼らがまともな精神や思考を養うのはとても難しいです。
正しく生きる道がないわけではない。
しかし彼らの中には悪の道に進む方法しか知らない人も多いです。
知らないものを学べと言っても無茶言うなって話ですよね。
でも犯罪は絶対に許してはいけないし正当化も出来ない・・・
うーん、結局何が言いたいのか自分でもわからなくなっちゃった。
とにかく民族性とか貧困とか簡単には片付けられない問題だから一概に「こっちが悪だ!」なんて決めつけられないんだよなって話です。
まとめ
新しい側面のジャッキーが観れる映画です。
しかも中国人が作った映画なのに徹底的に中国人の悪い部分を描き切っています。
僕は中国で暮らした経験があるけどかなりリアルに作れていると思いますよ。
彼らは騒がしくて暑苦しくて仲間意識が強くて・・・
でも一歩踏み外すとそれが裏目に出て暴走してしまう、そんな民族です。
まあ、今の中国はまた随分変わっちゃいましたけどね。
予告詐欺っぽい映画だけど僕は楽しめました。
こちらもコミカルなアクションを封印したジャッキー映画です。
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