マーターズ(リメイク版) ネタバレ 感想
あらすじ
残虐シーンのオンパレードで賛否両論を巻き起こしたパスカル・ロジェ監督によるフレンチスリラー「マーターズ」をハリウッドリメイク。人里離れた倉庫に監禁され、長期間にわたって拷問や虐待を受けた10歳の少女リュシー。命からがら逃げ出したものの心身ともに深い傷を負った彼女は、孤児院で恐ろしい幻覚に苦しみ続ける。そんな彼女にとって、同年齢の少女アンナだけが唯一の心の支えだった。それから10年が経ったある日、かつて自分を監禁した一家を発見したリュシーは、復讐を果たすべく立ち上がるが……。出演はテレビシリーズ「プリティ・リトル・ライアーズ」のトローヤン・ベリサリオ、「127時間」のケイト・バートン。「パラノーマル・アクティビティ」などの低予算ホラーをヒットさせてきた映画制作会社ブラムハウス・プロダクション製作のもと、「レヴェナント 蘇えりし者」のマーク・L・スミスが脚本を手がけ、「デッド/エンド」のケビン&マイケル・ゴーツ兄弟がメガホンをとった。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2016」上映作品。(映画.comより)
予告
65点
オリジナルへの反逆
マーターズ(リメイク前の)のレビューでは絶対観ないと言っていたリメイクだけど結局観ちゃいました(*ノω・*)テヘ
この嘘つきたまご野郎!って思うかもしれませんけどこれにはちゃんとした理由があるんですよ(見苦しい言い訳)
オリジナルのマーターズってミジンコたりとも救いはなかったじゃないですか。
でも今回には救いがあるって話を聞いたんです。
前回の圧倒的な救いの無さと絶望感を知ってるだけに一体どんな救いがあるのか気になったんですよね。
ザックリとストーリー紹介
・アンナとリュシーの幼少期が描かれる
・成長したリュシーがのほほんとした一家をショットガンで次々にアボン
・リュシーがアンナに連絡をとり二人で後処理をする
・アンナがリュシーを信じ切れずに警察へと連絡をとっていたことによりマドモアゼル達に捕まる
・リュシーはマーターズ計画に再度利用されアンナは生き埋めにされるが助かる
・アンナがマドモアゼルの部下を殲滅しながらリュシーを助けに向かう
・リュシーの元へとたどり着くがすでに度重なる拷問で「マーターズ」になってしまっていた
・「到達した」リュシーに死後の世界の事を教えてもらったアンナ
・「何を言っていた?何を見たの?」と興奮気味のマドモアゼル
・「お前も逝けば分かるよ」と脳天に一発ぶち込むアンナ
・リュシーが死にアンナも刺された腹部が致命傷となり死んでしまう
オリジナルとリメイクの違い
・拷問相手がアンナからリュシーに
・原作にいたパッケージのエキセントリックな姿した女の人が普通の少女に
・死後の世界を聞く人がモドモアゼルから神父とアンナに
・絶望的な前作と違い今作は救いがある
大きな違いはこんな感じですかね。
パッケージの女の人は今回は出てきこないきません。
そういう意味ではパッケージ詐欺かもしれないですね。
オリジナルの補完
(オリジナルでは誰もがツッコんだセリフ)
オリジナルはアンナとリュシーの関係などは明確にせずマドモアゼルに捕まった後は、拷問に次ぐ拷問で観るものに嫌悪感をひたすら与え続けて来る内容でした。
でもリメイク版では二人の関係をメインにしているようです。
オリジナルで描かれなかった部分に力を注いでる感じでしょうか。
他にもオリジナルの矛盾点を色々と保管してましたね。
・すぐに警察呼ばない
・すぐにその場から離れない
オリジナルで誰もがイライラした所だし「なんでだよ!」ってツッコミたくなった所だと思うんですよ。
そういった部分にちゃんと理由付けをした上でマドモアゼルに捕まってましたね。
表現はかなりソフトに
オリジナルは拷問自体は最後の皮剥以外は実は大したことないんです。
ひたすら殴るだけだしね。
でもその描写が無味乾燥で淡々と続けられるからこそ妙なリアリティを産み視聴者の精神にクるんですよね。
今回はドリルやメスなどが出てくる分視覚的には痛そうでも前回のような精神的な苦痛は少ないです。
というか拷問パート自体少ないです。
ただ皮剥シーンはしっかり継承されててそこは流石にキツかったですけどね。
アンナがランボー化
これがリメイク最大の見所でしょう。
オリジナルではひたすら殴られるだけだったアンナが今回は敵地を脱出し教団を次々に殺ってくれます。
道中でマーターズ候補みたいな人達の力を借りたりしたのも熱くてよかったですね。
オリジナルの無力感や絶望感を知っているだけにその反動もかなり大きいです。
憎しみの代行者となったアンナの容赦のない戦闘は「ここだけずっと観ていたい」と思うくらい良かった。
毒にも薬にもならない
散々褒めたけどそれはあくまでリメイクで良かった点をピックアップしただけ。
全体的にオリジナルを加味すると実はそこまで褒められるほどの作品でもなかったり。
表現がソフトになり絶望感が減ったということはリベンジのカタルシスも減るということなんですよ。
僕はオリジナルの救いがないのを知ってるからこそリベンジタイムで熱くなれたけど知らない人からすればそこまで熱くなれないでしょう。
あと映画の焦点が拷問や死語の世界というカルトな題材からアンナとリュシーの関係に移ってしまったせいで安っぽいありがちなホラー映画になってしまったのもいただけないですね。
結局不快でもなければスッキリもしない映画になっちゃいましたね。
結局死後の世界は何だったのか?
オリジナルでも最大の疑問だった部分です。
オリジナルではアンナがマドモアゼルにつぶやいた後マドモアゼルが意味深なことを言った後に自殺してましたね。
リメイク版では神父とアンナがリュシーから直接聞きます。
それを聞いた新婦はすぐさま自殺。
マドモアゼルも「何を見たの?」と詰め寄るがアンナに教えてもらえなかった。
(超必死にアンナに何を聞いたか問いかけるマドモアゼル)
(オリジナルで誰もが思った「お前が見てこいや」を見事に再現してくれたアンナ)
アンナも刺されたお腹の傷が原因で死の間際に「マーターズ」となり死後の世界をみた直後に死ぬ。
結局今回もその謎は解明されないままでした。
まあ、こういうオカルトで神秘的なものは答えを知っちゃいけないんですよ。
知らないからこそ妄想して楽しめるし知ったその時点で神秘性が失われてしまうからね。
まとめ
マーターズファンの為の補完映画にするつもりだった・・・んだろうけど「そこじゃない」と言わざるをえないです。
オリジナルでの警察がどーのとかそういった矛盾は些細なものなんですよ。
オリジナルでの絶望感を再現出来なければアンナのリベンジも爽快感が半減してしまうしそもそもアンナとリュシーの関係がメインの映画ではないですからね。
「死後の世界」が題材のカルトな映画なのでそこをもっと強調してリメイクして欲しかったです。
元々が万人に認められる映画ではなく一部に支持される映画なのだからそこを変えてしまうとありきたりで退屈なホラー映画になっちゃいますからね。
とはいえオリジナルで散々辛酸を舐め続けさせられたマドモアゼルに一発ぶち込むのが見れただけでも十分リメイクの価値があったと僕は思います。
ただオリジナルほどマドモアゼルがムカつく顔じゃなかったのが残念だったかなあ。
オリジナルの顔は本当に性悪そうな顔してましたからね。
興味ある人はオリジナルのマーターズを観てみよう♪
オリジナルの方です。
爽快感皆無、ひたすら胸糞悪いので観るのなら覚悟すべし。
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