キャロル ネタバレ 感想
あらすじ
「ブルージャスミン」のケイト・ブランシェットと「ドラゴン・タトゥーの女」のルーニー・マーラが共演し、1950年代ニューヨークを舞台に女同士の美しい恋を描いた恋愛ドラマ。「太陽がいっぱい」などで知られるアメリカの女性作家パトリシア・ハイスミスが52年に発表したベストセラー小説「ザ・プライス・オブ・ソルト」を、「エデンより彼方に」のトッド・ヘインズ監督が映画化した。52年、冬。ジャーナリストを夢見てマンハッタンにやって来たテレーズは、クリスマスシーズンのデパートで玩具販売員のアルバイトをしていた。彼女にはリチャードという恋人がいたが、なかなか結婚に踏み切れずにいる。ある日テレーズは、デパートに娘へのプレゼントを探しに来たエレガントでミステリアスな女性キャロルにひと目で心を奪われてしまう。それ以来、2人は会うようになり、テレーズはキャロルが夫と離婚訴訟中であることを知る。生まれて初めて本当の恋をしていると実感するテレーズは、キャロルから車での小旅行に誘われ、ともに旅立つが……。テレーズ役のマーラが第68回カンヌ国際映画祭で女優賞を受賞した。(映画.comより)
予告
50点
退屈だった(;´Д`)
この映画珍しくのりたまが観たいといった映画でして、僕も彼女も「ドラゴン・タトゥーの女」以来ルーニー・マーラが好きになり彼女目当てに見に行ってきました。
予め予防線をはらせてもらうのなら僕らは俗物的な人間でして芸術とかそういった感性で映画を観るのは苦手なんですよ。
基本的に映画はアートではなくエンタメとして捉えているので映像の美しさよりも何よりも「必然性」を求めるんですよね。
この映画はそこら辺がどうも曖昧で最後まで感情移入できずに終わってしまいました。
ただ凄く良かった部分もあるんです。
主演二人の存在感はそれだけで映画が成立するほどで50点という点数は全て主演二人のたまものです。
美しくも純粋なキャロル
まずキャロル(ケイト・ブランシェット)はいかにもお姉さまとか女王様って佇まいだ。
半端ない眼力と華麗に着こなした赤いコートや綺麗な真っ赤な口紅のインパクトは凄まじく、有無を言わさずにこちらがへーこら頭を垂れてしまいそうなほどの気品と迫力がある。
セレブレティで振る舞いから話し方まで全てに気品がある彼女だが、実はあー見えて結構乙女だったりもする。
後先考えず惚れた相手に積極的になったり、会えないと寂しがったりと強がらないキャロルは自分に素直に生きようとしている。
見た目こそ経験深く何でも知ってそうなのに心は子供のようで欲しいものは欲しくなり嫌なこと嫌だとハッキリ言いたい。
大人のようで子供のようでもあるのがキャロルの魅力かもしれない。
ただ愛娘がいるので本当の意味で自分を解き放てないのも同時にあって、本音を晒して生きたい気持ちと母親としての気持ちの間で揺れ動いてる。
まだまだセクシャリティに理解のない時代なだけに、語られずとも何となくそのもどかしさは伝わってくる。
可愛らしくもズルい女のテレーズ
次にテレーズ(ルーニー・マーラ)だけど、彼女はキャロルとは正反対のウブで清楚で気弱な感じ・・・に見えるけどトンデモナイ。
確かにパッみは何も知らない箱入り娘だろう。
でもあー見えて結構打算計算してる・・・ように僕には見えた。
キャロルに引きづられるように百合の道を歩き出したのだけど、実はテレーズの方が先にロックオンしている。
テレーズはキャロルとあったその日から真っ先に彼女を意識してたし、テレーズの男勢に対する異様な無関心さはおかしい。
彼氏に対しても異常に淡白で「え?なんで付き合ってるのあなた達」とツッコミを入れたくなる。
そもそも他の人に惚れたからといって、いきなり付き合ってる恋人にあんな風に淡白になるのは普通ではない。
自分の夫や娘などに対して責任をおった上で自分に素直に生きようとしてるキャロルとは正反対な人間だ。
テレーズは自分の気持ちに素直にはなれなくて常に周りからアクションを起こさせようとしている。
例えば彼氏に別れ話をふられた時も絶対自分からは別れを言わないし、あれだけキャロルに恋してるのであれば彼氏に別れを告げて開放してあげればいいじゃないか。
なのにまるで保険でもかけてるかのように自分からは絶対に別れを告げない。
キャロルと結ばれた時も相手から行動するように誘い受けしてるように見えるしね。
最後だってキャロルが真っ直ぐな気持ちで想いを伝えているのに、テレーズは一歩引いてから行動していた。
しかもテレーズはそういった行動を天然でやってるフシがあり、天然だけど魔性の女としか思えないんだよね。
人によっては純情で自分から何も言い出せない大人しい良い子に見えるのかもしれないけど、僕には何だかズルい女に写っちゃたんですよね。
まあ、個人的な妄想はここまでにしてテレーズのビジュアルは非常に可愛らしい。
あんなカラフルな帽子が似合う子はそういないし、ワンピースっていうのかな?あーいう格好も非常に似合ってて守ってあげたくなるような女性だ。
そんでその目にはキャロルとはまた違った迫力があった。
闇をたたえているというか「愛してる、愛してない…」のアンジェリクに似通ったものを感じる。
恋愛に必然性がなく物語の流れが退屈
ここからは色々文句を言うところなので、この映画が好きな人は読まないでくださいね。
多分好きな人は本当に好きな映画だと思うので・・・
さてどこがダメだったかというとやっぱり恋愛の必然性がないとこだ。
二人の出会いはいいんだけど、その後の展開が早すぎてえ?そんな簡単に惚れるの?もっとお互いを知るとかないの?って感じちゃいました。
何だか一目あったその日からお互いが運命の相手みたいにお互い惹かれ合ったみたいだけど、観てる側からすると何だか置いてけぼりを食らった感じ。
でもそれはそれでいいんですよ。
アクション映画とかホラー映画の恋愛なんてもっと唐突だしね。
何よりの問題はこの映画の大半が平坦だってことだ。
山も谷もなくひたすら平坦な道を進んでるかのよう。
ぶっちゃけサザエさんやちびまる子ちゃんでも観てたほうがまだ物語に起伏がある。
正直コレが一番苦痛だった。
いくら実力派女優で設定が凝ってても起伏のない話を見続けるのは僕には合わなかった。
ただ終盤からラストに繋がるまでの展開は中々楽しめた。
キャロルの夫がスッゴイ嫌なやつで手段を選ばないでキャロルから娘を取り上げようとしたりするのは「やめてあげてー(´Д⊂ヽ」ってなる。
そんですったもんだした挙句キャロルはついに自分の進むべき道を見つけ、全てをみんなにさらけ出して自信満々に生きようとするラストは非常に良かった。
が・・・いくらなんでもエンジンかかるの遅すぎてその頃にはもう映画が終わっている。
まとめ
人を選ぶ映画だと思います。
古き好きアメリカの町並みの綺麗さや主演女優二人の格好とか美しさは一際際立っているのでそれだけでも観る価値はあります。
ただ涙あり感動ありの王道ロマンスを望むと肩透かしに終わるでしょう。
個人的にはシャーリーズ・セロンの「モンスター」みたいなのを期待してたのでかなり期待はずれだったです。
ただテレーズとキャロルという二人の女性は非常に魅力的で映画の中では詳しく二人の心理描写をしないのが、また考察してて楽しいのでこれはこれでありとも思えます。
だから人によっては二人の魅力に惹きつけられ忘れられないほど良い映画になる人もいるかもしれませんね。
あ、のりたまは開始一時間ほどで夢の世界へ旅立って行きました^^
この人映画館に寝に来てるんじゃなかろうか・・・
最近のコメント