レクイエム・フォー・ドリーム ネタバレ 感想
あらすじ
テレビを見るのが何より楽しみな中年未亡人サラは、ある日テレビ番組への出演依頼の電話を受け、お気に入りの赤いドレスでテレビへ出るためダイエットを始める。一方、息子のハリーは恋人マリオンとのささやかな夢を叶えたいと麻薬売買に手を染める。季節が変わり、赤いドレスが着られるようになったサラはダイエット薬の中毒に、麻薬の商売がうまくいかなくなったハリーとマリオンは自らがドラッグの常用者となっていた……。(映画.comより)
予告
100点
この世で絶対に手を出してはいけないものがある
どっかの国で落ち込むランキング1の映画です。
凄く面白いというか心に響くんだけど、正直この映画を人に勧めていいのか迷うほどの破壊力があります。
特に母ちゃん系のネタに弱い人はヘタすると3日くらい下を向いて生活するほど落ち込むので視聴するのは控えましょう。
誰もが夢や理想をもつ
夫に先立たれたサラ(エレン・バースティン)は一日中テレビの視聴者参加型番組を観る事だけが楽しみの孤独な老後を過ごしており、一人息子のハリー(ジャレッド・レト)はろくに働きもせず友人のタイロン(マーロン・ウェインズ)とヘロインまみれの毎日。
しかもハリーがヘロインを購入するのに使う金はサラの唯一の楽しみのテレビを質屋に入れて手に入れている。(サラはその都度質屋から買い戻している)
でもサラは息子に嫌われて一人になるのが怖いから強く言えない・・・
だがそんなハリーにも美しい恋人のマリオン(ジェニファー・コネリー)がいて二人には洋服のお店を出す夢があった。
それは二人だけではなく、サラにはテレビに出る夢がありタイロンにも立派な人間になる夢がある。
4人の夢はそれぞれ薬という形からスタートすることになる。
サラは家に届いたテレビの参加チケットをキッカケにお気に入りの赤いドレスを切るために痩せなければいけないのでダイエットピルを飲み始る。
ハリーたちは薬を売る側に回ることで金を稼いでいく。
夢の終わり
最初こそサラは薬のおかげでダイエットがはかどり、ハリーたちは商売繁盛でいい夢が徐々に近づいてくるのを感じていた。
だが所詮は邪道・・・
邪道はリターンが大きいが当然リスクも大きい。
サラはダイエットピルで薬依存に陥り、ハリー達はタイロンが逮捕されたことで保釈金を払うため儲けの全てが吹き飛ぶ。
自暴自棄に陥ったハリーたちは売るはずの薬に自分たちがどっぷりハマっていき転がり落ちるかのような転落を始める。
こっからの展開は本当にキッツイ。
サラに届いたテレビの招待チケットは結局いたずらで、依存がどんどん深まっていって最終的には精神に異常をきたし病院送りになる。
ハリーは薬のやりすぎで左腕が壊死し切除することに・・・
タイロンは仮釈放中の逮捕のため刑務所で禁断症状に苦しむ。
マリオンは・・・恐らく4人の中でもっとも悲惨だろう、上の三人と違い彼女の地獄は始まったばかりなのだからね。
救いがなさすぎる
簡単にストーリーを説明したけど、実際はもっと細かく描写されててキッツイシーンが盛り沢山ですよ。
結局彼らは夢を薬という方法で叶えようとした代償を払ったに過ぎない。
だから可哀想というよりはなるべくしてああなったと言っても良い。
でもサラには少しは救いがあってもいいんじゃないかな。
そりゃ確かに薬に頼ったけど、あの時代のあの年の人間なら医者の出すものなら安心安全と思うのも仕方のないことだろう。
しかも最後のほうでよくわからん人体実験まがいの治療を受けているしね。
でもあれはどうやら尖った描写でもなんでもなくわりとふつうのコトだと医療に携わる友人は言っていた。(本当か?)
精神系の病院では僕達には理解の出来ない世界があると彼は言う。
そんな場所にまで追いやられるほどの罪をサラはおかしたのだろうか?
極めつけはマリオンの最後だよね。
3人が失ったものの大きさを感じ苦しみの表情を浮かべているのに、一人だけ薬を大事そうに抱え安堵とほほ笑みをたたえている。
これから先どれだけの犠牲を払うのか想像もできないだろうに・・・
救いなんてものミリ単位も感じさせないこのラストは一度観たら二度と忘れないほどの衝撃だ。
抗うことの出来ない究極の幸福感と絶望
映画ではヘロインを題材にしてるんだけど、ヘロインの別名はキングオブドラッグ。
つまり麻薬の中でも最強の破壊力をもった王様ってことだ。
その破壊力はおおよそ人の感じれる最大限の快楽とその後に訪れる逃れられない確実な破滅をもたらす。
多分誰もが一度くらいは一回くらいやったって「ガマンすればいいだけなんだろ?」と思ったことだろう。
だがそれは例えるのなら砂漠で三日三晩さまよった末に見つけた水を飲むなと言われていることに等しい。
いや、恐らくそれすらも可愛く思えるほどの渇望感が襲うのかもしれない。
ニコニコでヘロインの恐怖を非常にわかりやすく映画とともに解説してくれている動画があるので貼っておきますね。
まとめ
落ち込む映画NO1の名は伊達ではなくマジで心にズッシリ来ます。
マリオン関係の危うい描写をカットして学校で上映すれば立派なヘロイン撲滅動画になるんじゃないだろうか。
まあ、重すぎて子どもたちが心病んでも困るって話ですけどね。
この映画は中毒と人々の持つ夢を中心に添えています。
だから夢を叶えるのに必死になっててその過程で何かを落としてないか心配な人は一度観てみると人生観変わるかもしれません。
家族の大切さや生きる為に必要な物を今一度確かめられるかもしれない。
自分の生き方は正しいと再確認できるかもしれない。
少なくとも何も感じることがなかったとかって人は少ないでしょうし、何かしらの影響を及ぼすいい映画だと思いますよ。
有名だけどみたことのない映画。
いずれ見てみようかなって思う。
これまた有名作だけどみたことのない映画。
いずれ見てみy・・・以下略
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