マーターズ(リメイク前) ネタバレ 感想

マーターズ [DVD]

あらすじ

1970年初頭のフランス、行方不明となっていた少女リュシーが路上を彷徨っているところを発見される。何者かに廃墟に監禁され、長期に渡って拷問と虐待を受けていたリュシーは事件の詳細を語らないため、捜査は難航を極めていた。養護施設に収容されたリュシーは、少女アンナの献身的な介護で平穏な生活を取り戻してゆくが……。監督はフランス・ホラー界の新鋭パスカル・ロジエ。(映画.comより)

予告

 

前半50点後半0点

拷問に次ぐ拷問の果てに見えるもの

個人的に「絶対に二度と観たくないリスト」の中でもトップクラスの映画です。

前半こそサスペンス・ホラーっぽい始まりで多少引き込まれる要素はあるんだけど、後半からは全く別物のカルト映画になります。

見終わったあとに味わうのは強烈な無力感でした。

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出だしは悪くないけど・・・

冒頭は何やら怪しげなところから逃げる少女から始まるがこの時点から結構痛々しい。

そして場面は変わり何の変哲もない一般家庭の何の変哲もない日常が映るのだけど、その日常はショットガンを持った女によって一瞬にして地獄絵図に変わる。

女はショットガンで次々に幸せそうに暮らしていた家族を虐殺する。

ここまでのくだりは結構スピーデイで面白い。

謎の女は何故幸せそうな一家を惨殺したのか、この家族にはどんな秘密があるのかとワクワクさせられる。

でも正直面白いのはそこまでで、女が恋人(レズビアン)のアンナを呼んでからは苛々するほうが多い。

実はこの女は冒頭で逃げていた少女で名前をリュシーといい、先ほど虐殺した家族たちが自分を換金拷問していた連中だという。

当然アンナからすれば普通に生きている家族を皆殺しにしたリュシーをすぐには信じられない。

ただ惚れた弱みかリュシーを攻めることもなく一緒に死体を運んだりする。

まず最初のイライラポイントが何故「さっさと逃げないんだ・・・」ってこと。

いくら山の中だからといって一家惨殺しといてなんで死体の後処理しようとしてんだって話だしね。

結局チンタラしてる内に幻覚に怯えるリュシーは自分の首を掻っ切って自殺してしまう。

そこで絶望するアンナだが、何やら地下室みたいなとこを偶然見つける。

地下室にはエキセントリックすぎる見た目をした女がいて、そのあまりにも痛々しいさまはどうやら誰かに拷問されていたようだ。

そこでリュシーの言ったとおりこの家庭がリュシーに拷問を加えてたヤバイ家族だと理解する。

ここで第二のイライラポイント。

何故か病院に連れて行くとかせずに女を自力で介抱しようと訳のわからん行動にでる。

そりゃ死体遺棄を手伝ったんだから警察は呼べないかもしれないけど、どう考えてもその家に留まることのヤバさくらい分かるだろう・・・

180度反転する物語

そしてそんな事してる間に「マドモワゼル」率いる謎の集団が家にやってきてサクッと拷問されてた女が撃ち殺される。

ここから完全についていけない世界に突入する。

このマドモワゼルなるババアは死後の世界を知りたいらしく、ババア曰く「拷問と精神的負荷を極限まで耐えると殉教者になり死後の世界が見える」らしい。

ならお前がやれやって思うだろうけど、彼らは所謂大きな資産を持った権力者達で、自分が痛い目なんか見ないで他人にやらせりゃいいっていう発想の人たちだ。

つまり冒頭の幸せ家族もこのカルト教団の一員で幼少期のリュシーに同じことをしていたとわかる。

そしてリュシーは幻覚をよく見ていたんだけど、コレの正体はリュシーがカルト教団から逃げ出した時に見捨てていった子への罪悪感から来ていたのだろう。

そしてここから物語は拷問一辺倒になる。

地下室に軟禁されたアンナは椅子に縛り付けられ、毎日くっそ不味そうな飯を無理やり食わされ、定期的に大男にぶん殴られる。

しかも椅子から全く動けないので用を足すのも椅子の丸い穴から・・・

そんな終わりのない拷問が続き、美人な顔が見る影もなくなり髪の毛まで切られボーズにされてしまう。

ここでマドモワゼルが嬉しそーに最終段階だとか言ってアンナの全身の皮を剥ぐ。

そしていよいよその時が迫りマドモワゼルが、「さあ、何を見たの!?」とアンナの口に耳を近づけるが、何を言ってるのかはわからない。

マドモワゼルは山荘に偉い人達を集める、おそらく何を見たのか発表しようと言うのだろう。

そして待ちきれない部下が「何を見たんすか?」とマドモワゼルに聞くと「死後の世界はある、それは確実だ」といった直後「疑いなさい」と意味深なことを良い自殺してしまう。

結局マドモワゼルはなんと言われたのか?

マーターズラーの間ではもっぱらこれが話題だけど個人的にいくつか候補を上げてみました。

1・何も見えてねーよ

2・くたばれババア

3・なんか明るいとこだった

4・かゆ・・・うま・・・

個人的には2番でお願いしたい。

ただ考察サイトなどによると生きている人間が聞いてはいけないワードだった為マドモワゼルは自殺したらしい。

確かにそれだと納得いきますね。

まとめ

もうね、ストレスしかない。

物語後半は女の子がひたすらに拷問に次ぐ拷問を受けるんだけど、リアルというかショッキングというか精神的ブラクラみたいなんですよ。

グロ映画ってわりと得意な方なんだけど、こういった意味のない拷問は耐えられないですね。

そんでどっかで逆転KOかましてぬけ出すのかと思えばずーとカルト教団の良いように話が進むので胸糞の悪さが半端ないです。

しかも前半ではいくらでも逃げる機会があったってのがまたストレスというか悔しいというか・・

そう考えるとこれは監督の巧妙な作戦なのかなとも思いますね。

わざとらしいほど逃げないのも警察呼ばないのも後半の絶望感がより増すからでしょうか(考え過ぎ?)

だって最後まで見たあとに思うのは「あの時逃げておけば・・・」ですからね。

そう考えると何とも意地の悪い監督だなーって思いますな。

この拷問の果てに僕が得たものは「消えないトラウマ」です。

間違いなく誰にも勧めたくない映画の一つですね(‘A`)

 

ちなみにまさかのリメイクが決まっていました。

僕には観る精神的余裕ないんで見た方の感想をお待ちしております。

予告をどうぞ

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