[ドラマ化]僕たちがやりました ネタバレ 感想「放映出来るのか?」

僕たちがやりました(1) (ヤングマガジンコミックス)

あらすじ

凡下(ぼけ)高校に通う増渕トビオは友達の❝マル❞、❝伊佐美❞、そして凡下学校のOBである金持ちのボンボン❝パイセン❞とつるんでは「そこそこ楽しい」毎日を過ごしていた。しかしマルがひょんなことから不良高校で有名な矢波(やば)高校に目をつけられ、ボコボコにされてしまう。やられたマルの仕返しとばかりにトビオ達はパイセンの金に物を言わせて小型爆弾を購入して矢波高校に仕掛ける。窓ガラスを割って驚かせようとしただけのつもりで起爆した爆弾はプロパンガスに引火し10人もの死者を出してしまう大惨事へと発展してしまう・・・。

 

100点

罪は償えない、消えない

久しぶりに心にズッシリとのしかかる傑作と出会えました!

この漫画、えーと略すのなら僕やり?ですかね、ジャンルとしては青春逃亡ラブコメディ(嘘はいっていない)

独特の世界観を築いていて、ハマる人は間違いなくドップリとこの世界観にハマれるであろう作品です。

逆に世界観についていけないと胸糞悪い、重い、だけで終わってしまうかもしれませんね。

要するに結構賛否両論になってしまうかも?な作品なわけですな。

ちなみにこの記事はネタバレ全開かつ既読者のみにしかわからない内容なので、漫画を読んでから記事を読んでいただければ幸いです。

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最終話までのストーリーを簡単に紹介

まずは簡単にあらすじ~最終話までの内容をザックリと紹介します。

・トビオ達は無職だけど金持ちの息子だからお金だけはあるOBのパイセンと高校生らしい毎日を過ごしていた

・ひょんなことから矢波高校のヤンキーに目をつけられてしまったマルは攫われてボッコボコにされる

・そこでマルのために復讐をしようと決めたトビオ達は、パイセンの金で小型爆弾を購入して矢波学校のガラスを爆破する

・しかし小型爆弾はプロパンガスへと引火して大爆発、10人以上の死傷者が出る

・矢波高校の爆発事件でトビオ達は指名手配され、パイセンは国外逃亡しようとするも逮捕される

・だがパイセンの親父の権力によって警察ごと買収されパイセンは釈放、トビオ達の犯罪は闇に葬られる

・しかしトビオ達は人殺しの過去に囚われたまま、良心の呵責によって自首を決意

・自首を結構するもパイセンの親父の権力によって自首計画は再び闇に葬られ、パイセンは人を刺し殺してしまい逮捕

・10年後トビオは結婚と出産を間近に控え、「そこそこの幸せ」を手にれていた

・そして出所したパイセンはトビオたちを呼び出し、それぞれの現状を報告し合う

・だが誰もがあの時の罪と向き合えず、また立ち向かうこともできずになあなあな人生を送っていた

・トビオは「誰かに自分を罰してもらうのを待っていた」が、結局そんな人は現れず日常は続いていく

・最後にあの爆破事件の瞬間にトビオが嬉しそうな顔をしていた事がわかりEND

ウシジマくん以来の衝撃

(高校生としても人としても「終わり」を迎えた瞬間)

僕やりを最初に読んだ感想としてはウシジマくんによく似てるな~って感じました。

ただ闇金ウシジマくんが社会の闇と人間の闇を描いているのに対し、僕やりは人の弱さや未成年の心の揺れ動きに焦点を当ててます。

でも人の弱さを時にコミカルに時に辛辣に時に容赦なく読者に叩きつける様は闇金ウシジマくん以上の衝撃といえます。

例えるのなら、ウシジマくんは「こえぇ・・・救われねぇ・・・」な作品なら、僕やりは「ゾッとした・・・笑えねぇ・・・」って感じです。

なんだか抽象的な表現だけども、読んだ人ならなんとな~くわかると思います(ゆでたまの表現力の限界)

映画に例えるのなら・・・ダンサー・イン・ザ・ダークレクイエム・フォー・ドリームのような鬱系が近いですね、前2作品にコメディが加わった感じと思えば分かりやすいかもしれません(わかりづらい)

罪は裁かれずとも一生ついてまわる

結果的にトビオ達は罪を裁かれずにお話が終わりますが・・・(パイセンが別の罪でしょっぴかれてはいるけど)、そこに逃げ切った!とかスッキリ!とかハッピーエンド的なもんはなんにもないです。

だってあの事件を境にトビオ達は間違いなく人という枠組みから外れちゃってるんですよね。

パイセンは10年も服役して出した結論は「なるようにしかならない」と罪を自ら贖うつもりはなし、マルに至っては人を騙す事に引け目も感じなくなったクズ中のクズ、伊佐美は❝普通の人❞になったつもりで罪を見て見ぬふり、そしてトビオは罪を裁かれるのを待つだけ。

罪も償わない、幸せにもなれない、だから幸せになったつもりで生きるしかない。

きっとトビオ達が罪を認め罰してもらえたとしても幸せにはれないのでしょう、いやなれないはず。

そんな八方塞がり感が「人殺し」という罪の重さを象徴しているのではないでしょうか。

トビオの最後の笑顔は何を意味する?

(身震いするほどにゾッとしたトビオの笑顔、人間の弱さ汚さの両方が集約されている)

漫画のラストでトビオが矢波高校のプロパンガス爆破の時、実はとびっきり邪悪な笑顔を向けていた事がわかります。

これは何を意味するのか?

個人的な解釈としてはトビオの本性なのではないかと思っています。

基本的にトビオは他人を傷つけないし罪の意識もあって、良くも悪くもどこにでもいる学生・・・のように見えるんですよね。

だから最後はトビオだけでも幸せになってほしかった~なんて思ってた人も多いんじゃないでしょうか?

それに対して「トビオは実は誰よりも醜悪でクズだったんだぜ?」と読者に突きつけるのが作者の意図だったのだと思います。

そもそもこの漫画は最初から読者に対して期待を裏切り続けていくスタンスなんですよ。

・ちょっとしたイタズラが大惨事

・蓮子との別れ

蓮子の結婚相手がパパイ◯鈴木

・市橋の自殺

・仲間たちとの離別

・幸せな家庭(仮)

常に悪い方悪い方へと流れていくクライム・サスペンス的な内容でして、しかも上げて落とすのパターンを繰り返すんですよね。

それは「罪を犯した人間はゼッテー幸せになんかなれねーぞ」というメッセージなのでしょう。

そんな悲劇の繰り返しの中でも、わりと人畜無害で罪もそれなりに償う意志をみせているトビオは漫画の最後の良心だったんです。

だけどその最後の良心も・・・実はトビオこそがあの瞬間もっとも楽しんでいたとんでもないクズだったのだと読者に突きつることによって、なんとも言えない終わり方をみせるんです。

作中の一番印象に残った話

ぶっちぎりで記憶に残っているのはやはり市橋の自殺。

真相を知ることなく、自分をあんな体にしたトビオと親友になってしまう皮肉、そこからの未来への希望がなくなってからの淡々とした動画から飛び降りの流れは、この漫画一番のトラウマでした。

市橋は最初は復讐の想いで生きられた、トビオと仲良くなってからは蓮子への想いで生きられた。

でも前者はパイセンの親の裏工作でなくし、後者はトビオの宣言によって絶たれてしまった。

もう市橋を支えるものは何もなくなってしまったわけです。

それがどちらもトビオのせいだというのがまた何とも皮肉ですね。

 

ドラマ化は大丈夫か?

(今宵ちゃんのこのシーンで完全にノックアウトされました)

7月からドラマ化ということでもうすぐ「僕たちがやりました」のドラマが始まります。

ウシジマくんがコメディ路線に変えて大成功してるんで、僕やりもそれでいけるのかな~と思わなくはないけれど、ただ笑えるだけの僕やりは正直觀たくないですね~。

クソほどに重いテーマだからこそ生まれるシュールで笑えるようで笑えないゾッとするような感覚を味わえていたわけですからね。

それに個人的に超好きなキャラである今宵ちゃん役が川栄李奈(元AKB)なので、原作のサービスカットはほぼ全て絶望的(もしくはスケールダウン)でしょう。

この漫画は高校生の青春逃走コメディなわけだけども、高校生の青春=性春なのにサービスカットナシでは成り勃ち・・・あ、いや成り立ちませんって。

まあ、そもそもゴールデンタイムに放映できるような内容の漫画ではないんですけどね、だから映像化に関しては正直楽しみ2割不安8割です。

まとめ

漫画は自信を持ってオススメできる作品です。

独特の後味の悪さ、青春の甘酸っぱさ、逃亡のハラハラドキドキ感、マルのとんでもクズさ加減などなど楽しみどころは沢山あります。

それに基本的にクライム・サスペンス風味なんでジェットコースターに乗っているかのような気分で楽しめるし、深く考えないでもトビオ達の青春と女の子が可愛いのでサクサク読めちゃいます。

この記事をここまで読んだのなら未読って人もいないでしょうけども・・・いるなら全9巻と短くてサックリ読めるんで是非読んでみてくださいな!

 

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