恋はデジャ・ヴ ネタバレ 感想

恋はデジャ・ブ [SPE BEST] [Blu-ray]

あらすじ

時間の迷路にはまり同じ日を繰り返さなければならなくなった男がタイム・ラビリンスから抜け出し恋を成就させるまでを描いたコメディ。監督、脚本は「ボールズ・ボールズ」のハミルド・ライミス。製作はライミスとライミスの監督作すべてに関わってきたトレヴァー・アルバート。エグゼクティヴ・プロデューサーは「チャイナタウン」のC・O・エリクソン。原案・共同脚本はこれがデビュー作となるダニー・ルービン。撮影は「ザ・シークレット・サービス」のジョン・ベイリー。音楽はジョージ・フェントン。主演は人気コメディアンで「恋に落ちたら…」のビル・マーレイと「グリーン・カード」のアンディ・マクドウェル。共演は「アビス」のクリス・エリオット、「靴をなくした天使」のスティーブン・トボロウスキー、「ディス・イズ・マイライフ」のマリタ・ジェラティ。ライミス監督も医師の役で出演。(映画.comより)

 

100点

ある日突然同じ日を繰り返すことになったフィル(ブル・マーレイ)は傲慢で自己中で嫌味な男だ。

それが同じ日を繰り返すうちにある事をきっかけに謙虚で親切で優しい男に変わっていく。

何が彼を変えたのか?永遠ともいえる時間を繰り返す中でフィルが手に入れたものは何か?

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フィルに起きた出来事は他人事ではない

毎日を繰り返すことになったフィルは初めこそは暴飲暴食に窃盗などとにかくやりたい放題やり始めるのだけど、リタ(アンディ・マクダウェル)の事が好きだと気づいてから少しずつ変わっていく。

初めはループの能力をいかして根掘り葉掘りリタの過去や趣味まで知り尽くして攻め落とそうとするが、どうやっても最後までもっていけない。

そして絶望し何度も自ら命を絶つが当然元に戻ってしまう。

半ば自暴自棄になりながらリタに全てをぶちまけると今までの努力が嘘のようにリタと上手くいってしまう。

しかしそれも一日たてばリタは全てを忘れてしまう・・・

だがそれからのフィルはもう絶望はしていなかった。

ようやく自分の心に素直になり人との時間を大切にできるようになったのだ。

毎日繰り返される中でも人に親切になり、色んな事を学び始めた。

今までのフィルは繰り返す毎日を享受してしまい、それを前提に時間を使ってきた。

でもそれは我々だって同じ事だ。

毎日朝起きてご飯を食べて仕事をする。

基本的にはその繰り返しで誰もが辟易している所は必ずあるだろう。

めんどくさい事や嫌な事があっても「明日やろう」と明日がある事を前提に生きてしまっている、明日が突然やってこなくなるなど考えていないかのように・・・

でもそんなものは少しの努力で変えられる、いや変えようとしなければ毎日を繰り返しているフィルとそう変わらないだろう。

ボーリング場のじいさんが印象深い事を言っている「ビールをまだ残り半分と感じるか、もう残り半分と思うか」。

この言葉にはハッとさせられる、誰だって一度や二度は「時間がない」だの「もう一日が終わっちゃう」だのと常に時間を少なく感じてしまっている。

時間があろうがなかろうが我々にできることなどその限られた時間を精一杯生きることしか出来ないというのに。

だから年の終りに毎回この映画をみて振り返る。

今年は時間を有効に使えたかな、人生を謳歌できてるのかなと。

基本はラブコメなのでノリは軽い

上で柄にもない哲学っぽいこと書いたが、この映画の基本はラブコメディだ。

嫌な奴だけど何故か憎めないフィルはビル・マーレイの顔がなんともキュートでちょこちょこ顔芸で笑わしてくるからだろう。

周りを固める脇役達も素晴らしく、ちょっとの出番しかないキャラでも心に残る。

そして物語のテンポがとても良くだれたりもしない。

田舎の雪に囲まれた町でみんなの生きる時間はとてもゆったりとしている、年に一度ウッドチャックを見ると言う地味な行事にもみんな本気になって楽しんでいる。

そんな人間模様を見ているとこちらの心の棘なども取れていくように感じる。

ファンタジーの中にもブスリと刺さるリアルの重さ

多分色んな人にちょっとしたトラウマを埋め込んだであろう登場キャラがいる。

彼には名前もなくただの「老人」として扱われている。

この老人はホームレスのようなのだが毎晩必ず避けられない死を迎えてしまう。

いわゆる、老衰なのだがループする能力をもったフィルは必死に救おうとあらゆる手を尽くすがそれでも助けられない。

今までがゆるいラブコメだったのに急に現実に引き戻される。(のりたまはここで号泣してしまった)

この落差はずるい、老人は失われた時間は絶対に戻ってこない事を暗示する為に出したのだろうけどラブコメを見てたつもりが急に現実の非常さを突きつけてくのだもの。

きっと老人の存在はフィルにとてつもなく大きな影響を与えた事だろう。

老衰という誰にでも訪れる悲しみを知り、誰かと生きて同じ時間を共有できる幸せを改めて思い知らされる。

これらの経験をしたからこそラストでリタに放つフィルの「今日を楽しもう」という台詞にとてつもない破壊力が宿るのだった。

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